外国人観光客の増加が連日ニュースで取り上げられる日本。なかでも、電化製品や高級ブランド品、化粧品などを大量に購入する中国人の「爆買い」が話題だ。大きなスーツケースをいくつも持ち、入りきらない荷物をひもでくくる姿がテレビ等で報じられている。 外国人観光客による爆買いは、低迷が続いた国内消費を盛り上げる劇薬となる。一方で、依存度が高まり過ぎると、爆買いが収まった時の影響をもろに受けることになる。その姿が今、香港にある。 通貨安で、本土客が急増 広東省の深センの先にある香港は、中国本土客が訪れやすい観光地の1つだ。料理店の水準は高く、百貨店やショッピングモールがたくさん存在しており、海外に開かれた都市となっている。 中国へ返還された1997年に香港を訪れた観光客は全体で1127万人。そのうち本土からの観光客は236万人で、約21%だった。それが2014年には観光客全体が約6100万人であるのに対