前回のレポートを書いた時点から10日ほど、ベトナムに取材に行っていたが、主な取材場所としたホーチミンやハノイに滞在するなかで、筆者は一つの報告書を思い出していた。それは、2007年の6月ごろに発表された国連人口基金(UNFPA)のそれである。 ネット上では今でもあるが、このレポートは、当時の私に非常に衝撃的であったし、今年、つまり2008年が、まさにこのレポートが指摘する「都市化1000年の幕開けの年」(the Dawn of an Urban Millennium)であることを思い出したからだ。 レポートは膨大なものだが、衝撃は序章の最初の2パラグラフから、すでに伝わってくる。 はっきり目にすることはできないものの、世界は2008年に非常に重要な分岐点に到達する。有史以来初めて、世界の人口の半分、具体的には33億人が都市に住むことになる。2030年までには、世界の都市居住人口は50億人に