東レは,炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を使い自動車向けのプラットフォーム(前部フロア)を10分以内に成形する技術を確立し,前部フロアの試作品を公開した。プラットフォームに限らず,構造部品全般に適用できるという。今後は,材料や成形法の改善を進め,サイクルタイムを5分以内に縮めることを目指す。 同技術は,新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「省エネルギー技術開発プログラム『自動車軽量化炭素繊維強化複合材料の研究開発」において,東レが日産自動車と協力して開発したもの。2005年の中間評価時点では,ドア・インナーパネルの成形に成功していた。前部フロアは,ドア・インナーパネルよりもはるかに形状が複雑である。この前部フロアを成形できたことから「構造部品全般に(同技術を)適用できるメドが付いた」(東レコンポジット開発センター所長の関戸俊英氏)。