JAMSTEC プレカンブリアンエコシステムラボラトリー・ユニットリーダー 高井研 氏 原初の生命は、いまもインド洋の中央海嶺下に生きている—-。海洋研究開発機構(JAMSTEC)プレカンブリアンエコシステムラボラトリー・ユニットリーダーの高井研氏らは、そう考えている。 「生命は何万回も生まれて何万回も死んだ。だがその中でたった一回だけ、持続して生き残った生命があった」(高井氏) 高井氏は2002年にインド洋中央海嶺東軸に位置する「かいれいフィールド」で、ハイパースライム(HyperSLiME、超好熱地殻内化学合成独立栄養微生物生態系)という超好熱性の水素酸化メタン生成細菌群を発見した。水深2450m、世界最高温条件の熱水環境で、水素をエネルギー源とする特異な生態系だ。これが地球最古の生態系の生き残り、あるいはよく似たものだと考えられるという。 「かいれいフィールド」のハイパースライムは遺