産業技術総合研究所は,大気圧以上の圧力領域で大容量の二酸化炭素(CO2)の吸着/放出が可能なケイ素(Si)-アルミニウム(Al)系吸着材を開発した(図1)。大気圧以上の圧力でCO2を10wt%以上吸着でき,大気圧まで圧力を下げるだけでその大部分を放出する。同研究は,産総研地圏資源環境研究部門地下環境機能研究グループ主任研究員の鈴木正哉氏と,同部門主任研究員の月村勝宏氏,サステナブルマテリアル研究部門メソポーラスセラミックス研究グループ主任研究員の前田雅喜氏と犬飼恵一氏による。 大容量のCO2を排出する大規模な鉱工業向けのCO2回収システムとしては,アミン系の吸着材を使う「アミン法」が検討されている。しかしアミン法には,メンテナンスしにくい,中・小規模での採算性が悪い,といった課題がある。簡単にCO2を吸着/放出できる方法としては「圧力スイング吸着法」(PSA)があるが,PSAで使うゼオライ