(英エコノミスト誌 2009年7月25日号) 欧州最大の経済大国であるドイツは、これまで概ね信用収縮を免れてきた。だが、これ以上は続かない。 医者が抱える最も難しい仕事の1つは、外見は健康そうな患者に、思い切った治療が必要であることを納得させることだ。ドイツの金融システムも同じである。 信用の流れは世界各国で細っているが、ドイツでは概ねどんな指標で見ても、非常によく持ちこたえている。それでも痛みを伴う外科手術をしなければ、金融の動脈が近く目詰まりを起こす危険がある。 一見健全に見える金融システムだが・・・ パニックに陥るべき明白な理由は見当たらない。調査機関ZEWによると、ドイツ以外のユーロ圏諸国では貸し出しの伸び率が2%を切っているのに対し、ドイツでは総融資残高が5月に前年同月比ほぼ3%増加したという。 企業と銀行を対象とした調査では、与信厳格化の広がりは見られない。ミュンヘ