(2009年7月23日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 自動車は、消費者向けの製品としても工業国の主力産業としても、実際に提供できるよりはるかに多くのものを約束している。車は、ハイウエーを走る自由、髪になびく風、それに性的能力の確かな向上まで約束している。 車のハンドルを握れば、どんな男性も男の中の男になった気になれる。それが「フォード・モンデオ」であれば、どんなに控えめに言っても優男にはなった気がするだろう*1。 ロマンを売り続ける自動車メーカーだが・・・ 現実はそうではない。車での移動はケルアックのような波乱万丈の放浪の旅というより、義務的な苦行がほとんどだ。通勤、学校への送り迎え、出張などである。自動車自体も、収斂進化を通じて卓越のピークに達し、どれもよく似た車になった。 メーカーがテールフィンやガルウイングを自慢することはもうない。さび止め処理が施されていたり不正改造の
米エネルギ省(DOE)は、低燃費車の生産資金として、米Ford Motor社、日産自動車、米Tesla Motors社の3社に、合計80億ドルの低金利融資を発表した。Ford社には59億ドル、日産には16億ドル、Tesla社には4億6500万ドルをそれぞれ融資する。これらは、DOEの先進技術車製造プログラムのなかで最初の融資となる。DOEは、今後数カ月以内にこのプログラムの下で、大小様々な自動車メーカーとその部品メーカーに対し追加融資を計画している。
(2009年6月18日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) スペイン北部の街フィゲルエラスが息を吹き返しつつある。この街にある米ゼネラル・モーターズ(GM)の工場では、世界の自動車産業が昨年崩壊する前の段階とほぼ同じ数の車を生産している。 同工場が生産するコンパクトカー「オペル・コルサ」には、今、大きな需要がある。ドイツ、フランス、イタリア、それに5月からは英国でも実施されている、車の買い替えを促す政府の新車購入補助制度(スクラップ・インセンティブ)のおかげだ。 買い替えの補助金で生産台数が急回復 補助制度の対象になるような古い車に乗っているのは、往々にして資力の乏しい人々だ。このため、低価格のオペル・コルサは、競合する小型車「フィアット・パンダ」や「ルノー・クリオ」と並び、非常によく売れている。 ドイツ政府が今年1月に1台当たり2500ユーロの奨励金を導入して以来、フィゲルエラス
6月1日、バラク・オバマ米大統領が米ゼネラル・モーターズ(GM)に連邦破産法を申請させるという決断を発表した頃、ロシアのプーチン首相は自国の自動車産業振興に乗り出していた。 プーチン首相がモスクワで会っていたのは、カナダの自動車部品大手マグナ・インターナショナルのジークフリード・ウォルフ共同CEO(最高経営責任者)とロシア国営大手銀行ズベルバンクのゲルマン・グレフ頭取だった。マグナとズベルバンクは共同で、GMから切り離される子会社独オペルの経営権を今後数週間の交渉で取得する予定だ。 プーチン首相の思惑 2日前の5月30日、マグナ-ズベルバンク連合はイタリアのフィアットを退け、オペル株合計55%を優先的に入札する権利を獲得した。その日教会に姿を見せたプーチン首相は、旧ソ連時代製の「Gaz-21」を運転して現れた。GAZはロシア第2位の乗用車及び商用車メーカーで、大株主は大富豪のオレグ・デリパ
米ゼネラル・モーターズ(GM)が5月末、業界下位のライバルメーカー、クライスラーに続いて米連邦破産法第11条(チャプター11)の適用を申請し、製造業で史上最大となる倒産劇の幕を切って落とすのは、ほぼ確実だ。 ほんの半年足らず前、GMのCEO(最高経営責任者)だったリック・ワゴナー氏――米財務省の自動車作業部会にその座を追われる前のこと――は、世界第2位の自動車会社にとって破産は「選択肢にない」と発言していた。 ワゴナー氏は、GMの事業構造が複雑なために、何年間も中途半端な状態で放置され、その間にも、地位を失い、先行きが不透明な会社の商品を顧客がますます敬遠していく事態を恐れていた。 だが、GMの前CFO(最高財務責任者)で、新たにトップに就いたフリッツ・ヘンダーソン氏は、破産がほぼ避けられないという事実を受け入れたようだ。同氏は4月27日、無担保社債保有者に対し、彼らが保有する債務2
欧州の自動車業界で1つ確かなことがあるとすれば、それはフォルクスワーゲン(VW)会長のフェルディナント・ピエヒ氏(72歳)に逆らっても何の得にもならないということだ。 先日、サルディニアでハッチバック「VWポロ」の新モデルを発売した際、ピエヒ氏は強気ムードを漂わせ、ポルシェ一族および強情なポルシェCEO(最高経営責任者)のヴェンデリン・ヴィーデキング氏に対する勝利を宣言した。 持ち株会社ポルシェ・オートモービル・ホールディングの議決権株を100%支配するポルシェ一族とピエヒ一族は5月6日、ポルシェが自社の15倍の規模を持つVWを買収するというありそうもない企てを中止することで合意した後、4週間かけて両社の合併の条件と組織について詳細を協議することにした。 合併新会社の主導権を握るのはVW だが、個人でポルシェ株の10%を所有するピエヒ氏が今回極めて明確にしたのは、運転席に座るのは自
インド最大の自動車メーカー、タタ・モーターズは、新型車「ナノ」を売る画期的な仕組みを通じて、英国の高級車ブランド「ランドローバー」および「ジャガー」買収のために借りた30億ドルの短期債務の借り換えまでの時間を稼いだ。 タタは、4月25日に締め切られた16日間の予約注文期間で、世界一安い小型車ナノの初回受注台数が20万3000台に達したと発表した。前払いの予約注文による受注額は合計250億ルピー(約500億円)に上る。 前払いの予約注文で約500億円の「運転資金」 同社は7月にナノの出荷を開始する予定で、2010年末までに受注台数の半分しか納車できないことを明らかにしている。これによって、来月期限を迎える債務の借り換えを完了するまでの資金繰りが楽になる。 「受注台数は私が予想していた50万台よりは少ない。しかし無論、今はいくらであってもカネが入ればいい。これはタタ・モーターズの資金繰
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