商売繁盛の神様「えべっさん」の総本社、西宮神社(兵庫県西宮市社家町)で10日早朝、境内を駆け抜けて参拝一番乗りを競う恒例の「福男選び」があった。約5千人が参加し、平成で最後となる「一番福」は広島県福山市の消防士山本優希さん(22)が手にした。 江戸時代から続く開門神事。厳しい冷え込みの中、参加者は9日夜から南門前に並び、くじ引きでスタート位置が決められた。 夜明け前の10日午前6時、「かいもーん」の掛け声で朱色の門が開くと、待ち構えていた参加者が一斉に飛び出した。約230メートル続く石畳を全力疾走で拝殿へ。駆け込んだ順に3人が神職に抱きかかえられ、周囲から「福男、福男」の声が沸き起こった。 一番福となった山本さんは初めての挑戦。昨年7月の西日本豪雨では、被災した地元で人命救助に当たった。「被災地の人が笑顔になれるよう、元気よく走ろうと思った。今年は災害の少ない1年になってほしい」と顔をほこ