千葉県旭市の市立国保旭中央病院が手術で体内にタオルを置き忘れたため、癒着した脾臓(ひぞう)を25年後に摘出することになったとして、同県の男性(53)が旭市に1億2千万円余の損害賠償を求めた訴訟の判決が9日、東京地裁であった。森冨義明裁判長は約1100万円の賠償を命じた。 判決によると、男性は1983年に十二指腸潰瘍(かいよう)の手術を受けた。2008年に腹部で見つかった腫瘍(しゅよう)のようなものがタオルであることが分かった。判決は「置き忘れた医師らに注意義務違反があり、男性は必要でない手術を受けることになった」と指摘。障害が残ったために失ったと考えられる収入や慰謝料を賠償すべきだと判断した。 男性側は25年間にわたってタオルが体内にあったことで下痢の症状が出たと主張したが、認められなかった。市側は「脾臓を摘出しても、労働能力に影響はない」「早く医療機関を受診していればタオルは発見され