2月末から佐渡島内で行方が分からなくなっていた雌のトキ(個体識別番号07番)が、約90キロ離れた胎内市内で確認された。放鳥後に海を渡ったトキは、関川村などを経て長野県内に移った雌(同03番)以来2羽目。こうしたトキの行動は、野鳥としてのたくましさを見せつけると共に、餌の確保、追跡調査などの観点から、佐渡島に連れ戻すべきかどうかといった論議が盛り上がりそうだ。 放鳥トキが島外で確認されたのは昨年11月以来だ。いずれも佐渡から下越北部へ飛来している。「佐渡とき保護会」の佐藤春雄さん(89)は、「原因は分からないが、今はトキが群れからペアになる時期。一緒にいた2羽に追い出されてそのまま気流にのり、本州まで飛んだのかも知れない」と推測する。新潟地方気象台によると、冬場の気圧配置が強まると、佐渡海峡では北西の風が吹きやすくなるという。 また、今回の本州飛来で、加茂湖周辺に生息するトキが2羽だけとなり