鎌倉時代の「承久の乱」を描いた絵巻の所在を80年ぶりに確認した、と京都市中京区の京都文化博物館は26日に発表した。同戦乱を題材にした現存唯一の絵巻で、「宇治川合戦」などが躍動的に表現されている。 1930年代末に京都で展示公開されて以降は所在不明だった「承久記絵巻」を、特別展開催に向けて調査していた同館学芸員が、個人蔵の木箱に収蔵された良好な状態で確認したという。 江戸初期に制作されたと考えられる紙本着色約15メートルの6巻。13世紀に鎌倉の北条方と争った京都方の後鳥羽上皇が破れた戦乱の経緯が、かな主体の詞(ことばがき)とともに、36の場面に分けて表している。巻4では、宇治川の合戦で敗走する京都方を鎌倉方が追撃する様子が描かれている。 承久記絵巻は、来春に京都文化博物館で開催予定の特別展で展示される。