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ブックマーク / www.astroarts.co.jp (29)

  • 銀河中心ブラックホールのジェットが抑制する星形成

  • ベテルギウスの爆発は10万年以上先になりそう

    ベテルギウスの明るさの変化を理論分析した結果、超新星爆発を起こすまでまだ10万年程度の時間が残されていることがわかった。 【2021年2月12日 カブリIPMU】 オリオン座の肩の位置に輝く1等星ベテルギウスは、恒星進化の最終段階にある赤色超巨星で、「いつ超新星爆発を起こしてもおかしくない」と言われることが多い。2020年初めに前例のないほど大幅に減光し一時的に2等星になった際には、爆発のときが迫っているのではないかとの憶測もあった。だが最新の研究によれば、どうやら私たちが超新星を目撃できる可能性は低そうだ。 (上段)ヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡VLTで撮像された2019年1月(左)と2019年12月(右)のベテルギウス。(下段)最近のベテルギウスの光度変化(提供:(上段)ESO/M. Montargs et al.、(下段)L. Molnar, AAVSO, UCSD/SMEI,

    ベテルギウスの爆発は10万年以上先になりそう
  • 隕石から新鉱物「ポワリエライト」を発見

    複数の隕石に、かんらん石の化学組成を持つ高圧相の新鉱物が発見され、「ポワリエライト」として認定された。 【2021年2月1日 海洋研究開発機構】 地球の地殻やマントルには「かんらん石」という鉱物(大きく美しい結晶はペリドットという宝石として知られる)が豊富に含まれている。かんらん石は高温高圧の環境で形成されると考えられているが、地球の地下数百kmもの深さから直接物質を採取して研究することは不可能だ。一方、かんらん石は隕石からも発見されている。多くの隕石は小惑星帯を起源とすると考えられているが、それらの相互の高速衝突によって瞬間的に地球深部に相当する高温高圧状態となるからだ。 海洋研究開発機構の富岡尚敬さんたちの研究グループは、1879年にオーストラリアに落下したテンハム隕石の分析から、「イプシロン相」というかんらん石の新しい高圧相を世界で初めて発見している。富岡さんたちは今回、1930年に

    隕石から新鉱物「ポワリエライト」を発見
  • 太陽系の内惑星と外惑星は世代が違った

    太陽系形成に関する数値実験から、太陽系内の惑星が2つの異なるタイミングで形成されたとする新しい理論が提唱された。 【2021年1月27日 オックスフォード大学/バイロイト大学】 太陽系の惑星のうち地球や火星などは主に固形成分でできていて、木星や土星にガスや水などの蒸発しやすい物質が多く集まっている。従来、この差は単にどれだけ太陽に近い所で形成されたかの違いであると解釈されてきた。 英・オックスフォード大学のTim Lichtenbergさんなどの国際研究チームは、そもそも惑星が形成された時期も2段階に分かれていた可能性をシミュレーションにより明らかにした。 最近の原始惑星系円盤の観測や隕石の分析からは、これまでの想定と違い、太陽が誕生してからわずか20万年ほどで惑星の形成が始まったこと、その形成は太陽系内の限られた領域で起こったことを示す証拠が得られている。 鍵を握るのは「スノーライン」、

    太陽系の内惑星と外惑星は世代が違った
  • 極超新星は光速ジェットにより引き起こされる

    5億光年彼方で発生したガンマ線バーストのスペクトル解析や理論計算から、ガンマ線バーストを引き起こした極超新星に光速の30%以上もの高速成分が付随することなどが明らかになった。極超新星が光速ジェットにより起こる爆発現象であるという理論を支持する成果である。 【2019年1月24日 京都大学/レスター大学/アンダルシア天体物理学研究所】 宇宙で最も高エネルギーの爆発現象であるガンマ線バースト(とくに継続時間が数秒以上のもの)は、太陽が100億年かけて放出するエネルギーを軽々と上回るほどの莫大なエネルギーが数秒~数十秒程度の間に放出される。そのうち一部のガンマ線バーストは、超新星を伴って現れることが知られている。そのような超新星には、高速膨張する超新星放出物質によって作られる性質が見られることから、通常の超新星の10倍以上の爆発エネルギーを持つ「極超新星」と解釈されている。 標準的なモデルでは、

    極超新星は光速ジェットにより引き起こされる
    fumirui
    fumirui 2019/01/25
  • 上昇する「はやぶさ2」が自撮りした「遙かなる影」 - アストロアーツ

    小惑星探査機「はやぶさ2」の着陸リハーサルで、小惑星リュウグウの表面近くから上昇する間に撮影された「影の自撮り」動画が公開された。 【2018年11月5日 JAXA】 10月25日に行われた「はやぶさ2」の第3回着陸リハーサル(TD1-R3)では、11時38分(日時間)に高度約12mまで降下することに成功し、これまでに到達した最低高度の記録を更新した。「はやぶさ2」の機体の高さはサンプラーホーン(長さ約1m)を含めておよそ2.3mなので、これはリュウグウ表面まであと「機体5個分」の高さを残すのみという、表面ぎりぎりの高度まで降りたことになる。 最低高度に到達した後、「はやぶさ2」が上昇する間に、機体の側面に取り付けられている小型モニタカメラ(CAM-H)で連続撮影された画像が動画として公開された。 上昇する「はやぶさ2」の小型モニタカメラ(CAM-H)で撮影された画像。最低高度到達の約1

    上昇する「はやぶさ2」が自撮りした「遙かなる影」 - アストロアーツ
  • 冥王星は10億個もの彗星衝突でできたのかもしれない

    探査機「ニューホライズンズ」による冥王星の観測データと「ロゼッタ」で得られた彗星の化学組成のデータから、冥王星はたくさんの彗星が集積して形成されたという新しいモデルが提唱された。 【2018年5月31日 サウスウエスト研究所】 米・サウスウエスト研究所のChristopher GleinさんとJ. Hunter Waite Jr.さんは、NASAの探査機「ニューホライズンズ」による冥王星の観測データとヨーロッパ宇宙機関の探査機「ロゼッタ」による「チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)」の観測データを組み合わせて、冥王星がどのように形成されたのかを説明する新しい理論を構築した。彼らはこの新しい冥王星形成モデルを「巨大彗星・宇宙化学モデル」と呼んでいる。 Gleinさんたちの研究の中心にあるのは、冥王星の「スプートニク平原」にある窒素の豊富な氷だ。スプートニク平原は大きな氷床で、「トンボー領

    冥王星は10億個もの彗星衝突でできたのかもしれない
  • オウムアムアの故郷は連星系

    最新の研究によると、観測史上初の恒星間天体である「オウムアムア」は連星系からやってきた可能性が高いようだ。 【2018年3月23日 RAS】 ハワイ語で「偵察兵、斥候」の意味の名を持つ「オウムアムア」は、2017年10月19日に米・ハワイのハレアカラ天文台で発見された差し渡し400mの小天体である。運動の軌道や速度の情報から、オウムアムアが太陽系外からやってきたことはほぼ確実とみられ、観測史上初の恒星間天体とされている。 オウムアムアは発見当初は彗星だと考えられたが、ガスの放出が見られなかったことや表面のスペクトル観測などから、岩石質の天体であることが示された。カナダ・トロント大学スカボロー・惑星科学センターのAlan Jacksonさんは、オウムアムアが小惑星であることが実に意外だったと話している。彗星の方が見つけやすく、また太陽系で考えると小惑星よりも彗星のほうが数多く放出されるため、

    オウムアムアの故郷は連星系
  • 宇宙最初の星々が宇宙背景放射に残した痕跡を初検出

    ビッグバンから1億8000万年後という宇宙の歴史のごく初期に「宇宙最初の恒星」が生まれた証拠となる電波信号が初めて検出された。 【2018年3月6日 米国国立科学財団】 私たちの宇宙は約138億年前にビッグバンと呼ばれる超高温の状態から誕生したと考えられている。ビッグバンから約38万年が経ったころには宇宙の温度が下がり、中性の水素原子が作られた。このころの宇宙には、物質は中性水素ガスとダークマターしか存在せず、光を放つ天体は生まれていなかった。「宇宙の暗黒時代」と呼ばれるこの時代は、数億年にわたって続いたと考えられている。 やがて、物質密度の高い部分が重力で集まって収縮し、最初の恒星や銀河が生まれると、恒星から放射される強い紫外線によって中性水素ガスはすべて電離された。この「宇宙の再電離」によって宇宙の暗黒時代は終わったとされる。しかし、宇宙最初の恒星がいつ生まれ、再電離がいつごろ起こった

    宇宙最初の星々が宇宙背景放射に残した痕跡を初検出
  • オウムアムアは「厚い有機物で覆われた雪玉」か

    10月に発見された恒星間天体オウムアムアには彗星らしき活動は見られず、岩石質であると考えられているが、これとは異なるモデルも提唱されている。 【2017年12月25日 クイーンズ大学ベルファスト】 10月19日に米・ハワイのパンスターズ1望遠鏡で観測史上初の恒星間天体「オウムアムア」が発見されて以来、各国の望遠鏡でこの天体の観測が続けられている。オウムアムアは9月に太陽からわずか 0.25天文単位(約3700万km)の距離を通過していて、表面は摂氏300℃以上に熱せられたと考えられるが、彗星のような尾やガスの放出などは全く観測されていない。 オウムアムアの想像図(提供:ESO/M. Kornmesser) 北アイルランド・クイーンズ大学ベルファストのAlan Fitzsimmonsさんたちの研究グループは、カナリア諸島のウィリアム・ハーシェル望遠鏡やチリの超大型望遠鏡VLTを用いてオウムア

    オウムアムアは「厚い有機物で覆われた雪玉」か
  • おとめ座超銀河団の銀河の動きを可視化

    天の川銀河から1億光年以内にある約1400個の銀河の過去の動きを示す、これまでで最も詳細な軌道図が作られた。 【2017年12月14日 ハワイ大学天文学研究所】 米・メリーランド大学のEd Shayaさんたちの研究チームが作成したのは、130億年前から現在に至るまでの間に「おとめ座超銀河団」に含まれる銀河がどのように動いてきたかという軌道図だ。 図の領域内で最も強く重力の影響を及ぼしているのは、私たちから5000万光年離れたところにある、太陽の600兆個分に相当する質量が含まれる「おとめ座銀河団」だ。すでに1000個以上の銀河がこの銀河団に飲み込まれており、現在、銀河団から4000万光年以内に位置しているすべての銀河も、将来的には銀河団の重力にとらえられてしまう。 天の川銀河は銀河団の重力に捕まってしまう領域の外側に位置しているが、一方で現在は230万光年離れているアンドロメダ座大銀河と徐

    おとめ座超銀河団の銀河の動きを可視化
  • 計算値よりはるかに弱かったブラックホールの磁場

    地球から8000光年の距離に位置する直径60kmほどのブラックホールの周囲の磁場が初めて正確に計測され、磁場の強さが過去の計算値の400分の1ほどであることが明らかになった。 【2017年12月15日 UF News】 地球から8000光年の距離に位置する「はくちょう座V404星」は、太陽のような恒星とブラックホールとの連星系で、2015年にアウトバースト(爆発的な増光)を起こした(参照:「ブラックホール連星はくちょう座V404星がアウトバースト」)。 「はくちょう座V404星」の想像図。ブラックホールから噴出する両極ジェットと磁力線が描かれている(提供:Michael McAleer/UF News) 米・フロリダ大学のYigit Dalilarさんたちの研究チームは、スペイン領カナリア諸島ラ・パルマ島のロケ・デ・ロス・ムチャーチョス天文台内にある口径10.4mカナリア大望遠鏡で、この連

    計算値よりはるかに弱かったブラックホールの磁場
  • 無数の銀河の深宇宙画像に小惑星の「フォトボム」

    ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した無数の銀河の画像中に、複数の小惑星もとらえられていた。スナップ写真などに無関係な人が写り込んでしまう「フォトボム」の、いわば宇宙版だ。 【2017年11月10日 NASA/HubbleSite】 スナップ写真や記念写真に偶然、あるいはわざと無関係な人が写り込む現象や行為のことを「フォトボム(photobomb)」という。天体写真であれば鳥や飛行機、人工衛星などの写り込みがフォトボムと言えるだろう。 その究極版とも呼べるような画像が、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)によってとらえられた。メインの観測ターゲットは数十億光年も彼方にある銀河、そこに写り込んでフォトボムを起こしたのは小惑星だ。 HSTは「フロンティア・フィールド」と呼ばれるサーベイ観測の一環として、他の天文衛星や望遠鏡と共に6つの銀河団の観測研究を行っている。以下の画像はそのうちの1つ、くじら座の方向約40

    無数の銀河の深宇宙画像に小惑星の「フォトボム」
  • 観測史上初の恒星間天体、名前は「ʻOumuamua」

    【2017年11月7日 MPC】 先月19日に米・ハワイのパンスターズ望遠鏡による観測で発見された小天体は、軌道計算の結果から、観測史上初の恒星間天体とみられている天体だ。現在はペガスス座の方向に向かって高速で移動中で、二度と太陽系に戻ってくることはない。 この小天体には最初、彗星を表す「C/2017 U1」という符号が付けられていたが(Cは「太陽を周期的に公転しない彗星」を表す)、彗星活動が見られないことから「A/2017 U1」に符号が改められていた(Aは「小惑星」を表す)。これらの符号のほか、現行の小天体の命名規則では、天体が彗星であれば発見者(あるいは天文台やプロジェクト)の名前が付けられ、小惑星であれば一定以上の回数の観測が行われた後に発見者に命名権が与えられ、国際天文学連合の小天体命名委員会が承認することになっている。 この規則どおりであれば、今回発見された小天体は現時点では観

    観測史上初の恒星間天体、名前は「ʻOumuamua」
  • 低温環境で液体のようにふるまう氷

    分子雲に存在する氷である星間氷を模した紫外線照射非晶質氷が、極低温で固体状態ではなく、液体的にふるまうことが発見された。 【2017年10月6日 北海道大学/JAXA宇宙科学研究所】 太陽のような恒星やそれを取り巻く惑星系は、星々の間を漂うガスの濃い領域である「分子雲」から誕生する。分子雲の中では、摂氏約マイナス263度の低温で揮発性元素(水素、炭素、窒素、酸素)が多様な分子を作り、氷(星間氷)としても存在している。 星間氷は、表面で多様な分子を生成したり、氷内の分子の結合が紫外線の照射により切られて複雑な有機物を作る材料になったりしている。こうした有機物は彗星や地球外物質中に発見される高分子有機物の起源と考えられることから、星間氷は要注目の物質だが、これまで星間氷そのものの性質についてはよくわかっていなかった。 北海道大学の橘省吾さんたちの研究チームは実験室で模擬星間氷を作成し、その様子

    低温環境で液体のようにふるまう氷
  • トランジット法で「地球」を検出できる系外惑星

    数多く発見されている系外惑星のうち、反対に「そこから地球を見つけられる」惑星はどのくらいあるのだろうか。最新の研究によれば、9個の系外惑星から見ると地球が太陽の前を通過するのでトランジット法で発見できるという。 【2017年9月14日 RAS】 これまでに発見された太陽系以外の惑星、いわゆる系外惑星の個数は4000個に迫ろうとしている。その大半は、地球から見て系外惑星が主星の手前を通過する「トランジット現象」を利用し、主星の光がわずかに暗くなる様子の観測から惑星を検出したものだ。 では反対に、系外惑星から見て太陽系の惑星が太陽の手前を通過するトランジット現象で、異星人は太陽系の惑星を見つけられるだろうか。英・クイーンズ大学のRobert Wellsさんたちの研究チームはこの問題について、太陽系の惑星検出に最適な位置にある系外惑星の数や、それらの惑星上から検出され得る太陽系内の惑星の数などを

    トランジット法で「地球」を検出できる系外惑星
    fumirui
    fumirui 2017/09/18
  • 「衝撃的」な太陽系の起源

    太陽系の形成が超新星爆発の衝撃波によって引き起こされたとする、長年の理論を支持する研究成果が発表された。 【2017年8月14日 Carnegie Science】 太陽系の形成は超新星爆発の衝撃波によって引き起こされたと考えられている。爆発した星から放出された物質が衝撃波によって周囲の塵やガスの雲に注ぎ込まれ、その雲が重力崩壊して太陽と惑星が形成されたという理論だ。 この太陽系形成理論を確かめるうえで重要なのが隕石だ。隕石には太陽系の形成初期に存在していた元素や放射性同位体、化合物などの記録が残っており、とくに炭素質コンドライトには、最も原始的な物質がいくつか含まれている。こうしたコンドライトを構成する要素で興味深いのは、寿命の短い放射性同位体だ。 米・カーネギー研究所のMyriam Telusさんは、そうした放射性同位体の一つである鉄60に関する分析を行った。太陽系内のすべての鉄60は

    「衝撃的」な太陽系の起源
  • 40周年を迎える探査機「ボイジャー」

    NASAの探査機「ボイジャー1号」と「ボイジャー2号」は、この8月と9月に打ち上げから40年を迎える。探査は今も続いており、地球から200億kmほど離れたところからデータを送ってきている。 【2017年8月7日 NASA JPL】 「これまで40年にわたってボイジャーが成し遂げてきた成果を考えると、それに匹敵し得るミッションは、ほとんどないと思います。2機の探査機は私たちを未知の宇宙の謎へと導き、太陽系とその先の探査続行に希望を与え続けてきました」(NASAサイエンス・ミッション理事会 Thomas Zurbuchenさん)。 「ボイジャー」のうちの1機のイメージイラスト(提供:NASA/JPL-Caltech) ボイジャー1号は1977年9月5日に打ち上げらた。1979年に木星、80年に土星に接近して探査を行った後、さらに旅を続け、2012年に恒星間空間へ入った人類史上唯一の探査機となっ

    40周年を迎える探査機「ボイジャー」
  • 天の川銀河の中心部に複数の「野良ブラックホール」候補

    天の川銀河の中心にある「いて座A*」の周辺に、異常な速度をもつ小さな分子雲が発見された。孤立した「野良ブラックホール」が巨大分子雲に高速で飛び込み、重力で引き寄せられた部分が局所的に加速された結果とみられる。 【2017年7月20日 慶応義塾大学】 天の川銀河内には、太陽の数倍から十数倍の質量を持つ軽いブラックホール(恒星質量ブラックホール)が数億個存在すると理論的に予言されているが、これまでに発見されている候補天体の数は60個ほどしかない。その理由として、多くのブラックホールが伴星を持たず孤立した、いわば「野良」であるためとみられている。恒星質量ブラックホールはその周囲に広がる降着円盤から放出されるX線を検出することで発見されてきたが、降着円盤を継続的に輝かせるためにはブラックホールのすぐ近傍に物質供給源となる伴星が必要だからだ。 慶應義塾大学の竹川俊也さんらたちの研究チームは、東アジア

    天の川銀河の中心部に複数の「野良ブラックホール」候補
  • 衛星「エンケラドス」周囲に大量のメタノール

    地上からの観測としては初めて、土星の衛星「エンケラドス」の周囲でメタノールが検出され、エンケラドスから噴出して宇宙空間へ飛び出した物質が複雑な化学変化を起こしている可能性が示された。 【2017年7月7日 RAS】 土星の衛星「エンケラドス」の南極には大きなひび割れが存在し、そこから蒸気や氷の結晶が噴出している。蒸気や氷の供給源は地下に存在する海だと考えられている。また、噴出した氷の粒や塵によって、土星の環のうち外から2番目にあるE環が形成されている。 土星のE環とエンケラドス(提供:NASA / JPL-Caltech / Space Science Institute) 土星探査機「カッシーニ」はエンケラドスの噴出の中を飛行し、メタノールをはじめとする有機分子を検出してきた。そして、最近の研究から、地球の海とエンケラドスの噴出には同程度の量のメタノールが存在することが明らかになった。

    衛星「エンケラドス」周囲に大量のメタノール