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ブックマーク / bijutsutecho.com (229)

  • 白井晟一が松濤美術館で実現しようとしたものとは。展示室の開館当初の姿を再現

    白井晟一が松濤美術館で実現しようとしたものとは。展示室の開館当初の姿を再現建築家・白井晟一が手がけた渋谷区立松濤美術館が、今年開館40周年を迎えた。同館を白井の思想が色濃く残る開館当時の姿に戻す「白井晟一 入門」の第2部が2022年1月4日より開催される。 「白井晟一 入門」第2部「Back to 1981 建物公開」より 手がける建築のユニークさから「哲学の建築家」とも評された建築家・白井晟一(1905〜83)。白井が手がけた渋谷区立松濤美術館が昨年開館40周年を迎えるにあたり、その活動や思想をたどるために開催される展覧会が「白井晟一 入門」だ。 「白井晟一 入門」第2部「Back to 1981 建物公開」より、1階ロビー 展の第1部「白井晟一クロニクル」(10月23日~12月12日)では、オリジナル図面や建築模型、装丁などで白井の活動をたどったが、続く第2部「Back to 198

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  • アートと名建築を巡る。「マツモト建築芸術祭」が2022年に長野県松本市で開催へ

    アートと名建築を巡る。「マツモト建築芸術祭」が2022年に長野県松市で開催へふたつの国宝や、数々の国登録有形文化財などの建物が存在する長野県松市内十数ヶ所の名建築を会場に、名建築とアートを融合させた芸術祭「マツモト建築芸術祭」が開催される。会期は2022年1月29日〜2月20日。 旧開智学校 長野県松市の名建築とアートを融合させ、松の魅力を県内外に発信する芸術祭「マツモト建築芸術祭」が、2022年1月29日〜2月20日の会期で開催される。 ふたつの国宝や、数々の国登録有形文化財などの名建築が存在する松市。芸術祭では、国宝「旧開智学校」をはじめ、昭和初期に建設された国登録有形文化財「旧第一勧業銀行松支店」、長野県宝「旧念来寺鐘楼」ほか、ノスタルジックな趣でデザイン性に優れた建築など市内十数ヶ所の名建築を会場に、アーティストがコラボレーションする。 アルモニービアン/松丸の内ホ

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  • レンブラント《夜警》の下でスケッチが発見。「創作過程についての新たな知見」

    レンブラント《夜警》の下でスケッチが発見。「創作過程についての新たな知見」オランダのアムステルダム国立美術館で公開修復が行われているレンブラント・ファン・レインの代表作《夜警》。その絵具の下でスケッチが発見された。 「Operation Night Watch」の様子 2019年7月よりオランダのアムステルダム国立美術館で公開修復「Operation Night Watch」が行われているレンブラント・ファン・レインの代表作《夜警》。そのキャンバスに隠されていたスケッチが発見された。 同館館長のタコ・ディビッツは声明文で、今回の発見は《夜警》についての「研究における画期的な出来事だ」とし、これにより「この作品がどのようにつくられたのかを初めて理解することができた」とコメントしている。 絵の上部に描かれたレンブラントのスケッチが見えるMacro-XRFスキャナーによって作成されたカルシウムマ

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  • 「没後50年 鏑木清方展」が東京と京都の国立近代美術館で開催へ。110点超の日本画作品のみで構成

    「没後50年 鏑木清方展」が東京と京都の国立近代美術館で開催へ。110点超の日画作品のみで構成美人画によって広く名が知られる日画家・鏑木清方。その没後50年を記念した大規模回顧展「没後50年 鏑木清方展」が、東京国立近代美術館と京都国立近代美術館で開催される。 明治から昭和にかけて、江戸の情緒香る美人風俗を描いた挿絵画家・日画家、鏑木清方(1878〜1972)。その没後50年を記念した大規模回顧展「没後50年 鏑木清方展」が、東京国立近代美術館と京都国立近代美術館で開催される。会期は2022年3月18日〜5月8日(東京展)、5月27日〜7月10日(京都展)。 鏑木清方は13歳のとき、父の勧めに従い、歌川国芳の孫弟子に当たる浮世絵師・日画家の水野年方に入門し、挿絵画家を目指した。挿絵の依頼を受けるようになり始めた1897年、挿絵画家のグループ・紫紅会を結成。1901年には紫紅会の仲間

    「没後50年 鏑木清方展」が東京と京都の国立近代美術館で開催へ。110点超の日本画作品のみで構成
  • ポップ・アートやロシア・アヴァンギャルドの名作が来日。「ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡—市民が創った珠玉のコレクション」が東京と京都で来年開催

    ポップ・アートやロシア・アヴァンギャルドの名作が来日。「ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡—市民が創った珠玉のコレクション」が東京と京都で来年開催ドイツ・ケルンのルートヴィヒ美術館。そのコレクション152点が来日する展覧会「ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡—市民が創った珠玉のコレクション」が、国立新美術館と京都国立近代美術館で開催される。 カジミール・マレーヴィチ シュプレマティズム 38番 1916 キャンバスに油彩 Museum Ludwig, Köln / cologne, ML 01294 Photo : (c)Rheinisches Bildarchiv köln , rba_d033965_01 ドイツ・ケルンのルートヴィヒ美術館が所蔵する、20世紀初頭から現代までのコレクション152点が来日する展覧会「ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡—市民が創った珠玉の

    ポップ・アートやロシア・アヴァンギャルドの名作が来日。「ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡—市民が創った珠玉のコレクション」が東京と京都で来年開催
  • 《モナ・リザ》もスマホで鑑賞可能に。ルーヴル美術館が48万2000点以上の全コレクションをオンラインで公開

    《モナ・リザ》もスマホで鑑賞可能に。ルーヴル美術館が48万2000点以上の全コレクションをオンラインで公開ルーヴル美術館が、48万2000点を超えたすべての所蔵品を無料で公開するオンライン・コレクション・データベースを開設。また、同館のウェブサイトもリニューアルオープンした。 ルーヴル美術館のウェブサイトより 新型コロナウイルスの影響で現在休館中のルーヴル美術館が、オンライン・コレクション・データベースと新しいウェブサイトを開設した。 コレクションデータベースである「collections.louvre.fr」は、同館のあらゆるコレクションをオンラインで公開したプラットフォーム。ルーヴル美術館だけでなく、ウジェーヌ=ドラクロワ国立美術館の所蔵品、チュイルリー庭園やカルーセル庭園の彫刻、そして第二次世界大戦後に回収され、来の所有者に返還されるまでルーヴル美術館に預けられている「国立美術館の

    《モナ・リザ》もスマホで鑑賞可能に。ルーヴル美術館が48万2000点以上の全コレクションをオンラインで公開
  • 千円札裁判

    「千円札裁判」は、赤瀬川原平が制作した「模型千円札」をめぐって、アーティスト、美術評論家、美術ジャーナリストらが論陣を張って司法の場で芸術論を争うこととなった、日現代美術史で特筆されるべき「事件」である。 赤瀬川は「通貨及証券模造取締法」で起訴され、1967年東京地裁第一審で有罪判決、68年東京高裁で控訴棄却、さらに最高裁で70年に上告棄却され執行猶予つきで有罪が確定した。「千円札裁判」の法廷は、アーティスト側からするとパフォーマンス空間、展示空間であり、裁判そのものは芸術論争の舞台であった。 赤瀬川が読売アンデパンタンで出会った高松次郎、中西夏之と結成した「集合体」である「ハイレッド・センター」は、路上、駅構内、電車内、高級ホテル、第一回東京オリンピックなどの「公的」な場所や物事を選び、それらの存在を特異に際立たせる直接行動としてハプニング、イベントを連続して行っていた。赤瀬川の「オブ

    千円札裁判
  • 昨年中止となった「ボストン美術館展 芸術×力」が新会期を発表。国宝級の日本美術が里帰り

    昨年中止となった「ボストン美術館展 芸術×力」が新会期を発表。国宝級の日美術が里帰り昨年4月から東京都美術館での開催を予定しながらも、新型コロナウイルスの影響で中止となった「ボストン美術館展 芸術×力」。同展が新たな会期を2022年7月23日〜10月2日とすることが発表された。 増山雪斎 孔雀図(部分) 江戸時代、享和元年(1801) Museum of Fine Arts, Boston, Fenollosa-Weld Collection 昨年4月から東京都美術館での開催を予定しながらも、新型コロナウイルスの影響により開催が中止された東京都美術館の「ボストン美術館展 芸術×力(げいじゅつとちから)」が、2022年7月23日〜10月2日を新たな会期として開催されることが発表された。同展は昨年4月から東京都美術館での開催を予定しながらも、新型コロナウイルスの影響で作品輸送の目処が立たず、

    昨年中止となった「ボストン美術館展 芸術×力」が新会期を発表。国宝級の日本美術が里帰り
  • これまでにない春日大社の展覧会。金沢文庫で特別展「春日神霊の旅ー杉本博司 常陸から大和へ」開催へ

    これまでにない春日大社の展覧会。金沢文庫で特別展「春日神霊の旅ー杉博司 常陸から大和へ」開催へ公益財団法人小田原文化財団は2022年1月より、神奈川県立金沢文庫とともに特別展「春日神霊の旅ー杉博司 常陸から大和へ」を、金沢文庫で開催する。この開催を前に、白金のロンドンギャラリーで杉博司が記者会見を行った。 杉博司と金沢文庫主任学芸員・瀬谷貴之。中央は《春日鹿曼荼羅》(室町時代) 杉博司の大作である「江之浦測候所」を運営する公益財団法人小田原文化財団は、神奈川県立金沢文庫、春日大社とともに春日信仰を紹介する特別展「春日神霊の旅─杉博司 常陸から大和へ」を、金沢文庫で開催する。会期は2022年1月29日〜3月21日。 奈良市にある春日大社は、768年に奈良盆地の東に位置する御蓋山の麓に造形された神社。全国に約1000社ある春日神社の総社であり、世界文化遺産「古都奈良の文化財」のひ

    これまでにない春日大社の展覧会。金沢文庫で特別展「春日神霊の旅ー杉本博司 常陸から大和へ」開催へ
  • 泉屋博古館東京が22年春にリニューアル開館へ。2つの展示室やショップなどを新設

    泉屋博古館東京が22年春にリニューアル開館へ。2つの展示室やショップなどを新設東京・六木一丁目にある泉屋博古館分館が「泉屋博古館東京」として2022年春にリニューアル開館。3月19日からはリニューアルオープン記念展Ⅰとして「日画トライアングル」を開催する。 泉屋博古館東京外観 住友コレクションを収蔵する公益財団法人泉屋博古館は2022年春、「泉屋博古館東京」をリニューアル開館させる。 公益財団法人泉屋博古館は、昨年開館60周年を迎えた泉屋博古館(京都)と、今年4月に館名を変更した泉屋博古館東京(旧・泉屋博古館分館)の2館を運営する法人。泉屋博古館東京は、2002年に京都の分館「泉屋博古館分館」として六木一丁目の住友家旧麻布別邸跡地に開館し、18年にわたり、館蔵作品の紹介を続けてきた。 泉屋博古館東京外観 同館は2019年末に改修工事のために長期休館に入っており、開館20周年となる22

    泉屋博古館東京が22年春にリニューアル開館へ。2つの展示室やショップなどを新設
  • 「博物館法」はどう変わるべきか? 博物館学の専門家が問う

    「博物館法」はどう変わるべきか? 博物館学の専門家が問う美術館や動物園などを含む「博物館」を規定する法律「博物館法」。その改定に関する議論が文化庁に設置された文化審議会で進められている。登録博物館制度の改革が言及された7月30日公表の「博物館法制度の今後の在り方について(審議経過報告)」を、博物館学が専門の名古屋大学大学院教授・栗田秀法が読み解く。 文=栗田秀法 文化庁 はじめに 現在博物館法改正の議論が文化審議会で進められており、中間報告として7月30日付の「博物館法制度の今後の在り方について(審議経過報告)」が公表された。議論の端緒は、2018年6月に文部科学省設置法が改正され、文部科学省が一部を所管していた博物館に関する事務を、文化庁が一括して所管することになったことに伴い、19年11月に文化審議会に博物館部会が設置されたことにある。 「経過報告」の項では博物館の現状分析として、「博

    「博物館法」はどう変わるべきか? 博物館学の専門家が問う
  • 愛知県の杉本美術館が閉館へ。新型コロナウイルスの影響で来館者が減少

    愛知県の杉美術館が閉館へ。新型コロナウイルスの影響で来館者が減少1987年に開館した、愛知・美浜町の杉美術館が10月31日をもって閉館することを発表した。新型コロナウイルスの影響による来館者減が大きな要因となった。 杉美術館ウェブサイトより 愛知・美浜町の美浜緑苑内にある杉美術館が10月31日をもって閉館することを発表した。 同館を運営する名古屋鉄道によると、来館者はかねてより減少傾向にあったが、新型コロナウイルスの影響によりさらに運営が苦しくなり、今年に入って閉館を決めたという。なお、同館のコレクションはすべて財団法人杉美術館が所有しており、今後の活用については検討中とのことだ。 杉美術館は、岸田劉生の門下として洋画を学んだ画家でポスターや挿絵の制作も広く手がけた杉健吉(1905〜2004)の、初期から現在までの作品すべてを収蔵している。生前の杉より作品寄贈を受け、198

    愛知県の杉本美術館が閉館へ。新型コロナウイルスの影響で来館者が減少
  • レンブラントの《夜警》、300年ぶりに本来の姿に。AIで欠損部分を復元

    レンブラントの《夜警》、300年ぶりに来の姿に。AIで欠損部分を復元アムステルダム国立美術館は、同館を代表する所蔵作品であるレンブラントの《夜警》について、欠損部分の復元が完了したことを発表した。300年ぶりに来の姿が披露された。 レンブラント《夜警》の復元部分 Photo by Rijksmuseum/Reinier Gerritsen アムステルダム国立美術館は、同館が所蔵するレンブラント・ファン・レインの名作《夜警(正式名称:フランス・バニング・コック隊長とウィレム・ファン・ライテンブルフ副隊長の市民隊)》(1642)について、その欠損部分をAIによって復元したと発表した。 《夜警》はレンブラントの代表作であり、オランダ黄金時代を代表する絵画のひとつ。完成当初は火縄銃手組合の集会所に掲げられていたものの、1715年にアムステルダム市庁舎に移設。その際、壁に収まらないため作品の四方

    レンブラントの《夜警》、300年ぶりに本来の姿に。AIで欠損部分を復元
  • ピカソによる女性の扱いに抗議。スペインの美術教授らがピカソ美術館でサイレントデモ

    ピカソによる女性の扱いに抗議。スペインの美術教授らがピカソ美術館でサイレントデモスペインの美術教授であるマリア・ロピスとその学生たちが、ピカソの女性への扱いに抗議するためにバルセロナにあるピカソ美術館でサイレントデモを行った。その狙いとは? マリア・ロピスとその学生たちが行ったデモの様子 Photos by Ismael Llopis. Courtesy of Maria Llopis キュビスムの大家であるパブロ・ピカソ、その女性に対する扱いに抗議するため、スペインの美術教授であるマリア・ロピスとその学生たちが、バルセロナにあるピカソ美術館でサイレントデモを行った。 バルセロナの美術学校エスコーラ・マッサーナで「アートとフェミニズム」コースを教えているロピスが企画した今回のデモでは、参加者たちが「Picasso, women abuser(ピカソ、女性虐待者)」「Picasso, la

    ピカソによる女性の扱いに抗議。スペインの美術教授らがピカソ美術館でサイレントデモ
  • 短期集中連載:ミュージアムの終活(または再生)(終) トリアージ(峻別)されゆくミュージアム

    短期集中連載:ミュージアムの終活(または再生)(終) トリアージ(峻別)されゆくミュージアム新型コロナウイルスのパンデミックによって大きな影響を受けるミュージアム。経済的な危機だけでなく、制度的な限界など、ミュージアムを取り巻く現状と課題について、国立美術館理事の経験を持つ文化政策研究者/同志社大学教授の太下義之が考察する。 文=太下義之 イメージ画像 (C)Unsplush 「日の博物館総合調査研究:平成27年度報告書:平成25~27年度科学研究費助成事業基盤研究(B)」にて、博物館の主たる建物の建築時期をみると、1990年代は678館となっており、全体の3割を占めている。日のミュージアムの建築時期として最も多いのが、90年代なのである。 どうして90年代にミュージアムがこれほど多数整備されたのであろうか。じつは、ミュージアムだけではなく、90年代には極めて多数の公立文化施設(劇場・

    短期集中連載:ミュージアムの終活(または再生)(終) トリアージ(峻別)されゆくミュージアム
  • 短期集中連載:ミュージアムの終活(または再生)(1) 指定管理者と独立行政法人の課題

    短期集中連載:ミュージアムの終活(または再生)(1) 指定管理者と独立行政法人の課題新型コロナウイルスのパンデミックによって大きな影響を受けるミュージアム。経済的な危機だけでなく、制度的な限界など、ミュージアムを取り巻く現状と課題について、国立美術館理事の経験を持つ文化政策研究者/同志社大学教授の太下義之が考察する。 文=太下義之 イメージ画像 (C)Unsplash はじめに:コロナ禍によるミュージアムの危機 新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、日国内のみならず、世界のミュージアムが運営の危機にさらされている。 ユネスコの2020年5月時点での調査によると、世界には約9万5000のミュージアムが存在するが、そのうち約90パーセントにあたる8万5000館以上が新型コロナウイルスの影響で休館している。そして、10パーセント以上のミュージアムは再開できないまま閉館する可能性があるとして

    短期集中連載:ミュージアムの終活(または再生)(1) 指定管理者と独立行政法人の課題
  • なぜ近代建築は解体の危機にさらされるのか? 近代建築史家にその背景を聞く

    なぜ近代建築は解体の危機にさらされるのか? 近代建築史家にその背景を聞く品川にある旧原美術館の解体は大きな衝撃を与えるものとなった。しかしこれに限らず。昨今では原宿駅や世田谷区庁舎、東京海上日動ビルなど、様々な名建築が解体またはその危機に瀕している。なぜこのような状況が起こっているのか、またどうすれば解体ではない道をたどれるのか。京都工芸繊維大学教授で近代建築史が専門の松隈洋に話を聞いた。 聞き手・文=橋爪勇介(ウェブ版「美術手帖」編集長) 解体前の原宿駅 ──旧原美術館の解体には多くの惜しむ声が聞こえてきます。日、とくに東京では近代建築が相次いで解体の危機に瀕していますが、どのような背景があるのでしょうか? 旧原美術館は御殿山という一等地にあるため、存続は危ういのではないかと思っていました。まとまった敷地を手に入れるため、邸宅というのは再開発の対象として狙われやすいのが現状です。200

    なぜ近代建築は解体の危機にさらされるのか? 近代建築史家にその背景を聞く
  • 友の会からクラファンまで。苦境の美術館・博物館を支援する方法

    友の会からクラファンまで。苦境の美術館・博物館を支援する方法「with コロナ」の時代において、大型展の予約制(定員抑制)を取り入れてる美術館・博物館は入場料収入も落ち込んでいる。こうした状況のなか、ミュージアムを支援できる方法をまとめた(稿は2021年5月22日掲載記事の再編集版です)。 独立行政法人国立美術館のオンライン寄付サイト 「with コロナ」の時代において、各美術館・博物館はコロナ前と比較し、展覧会の入場者数(入場料収入)は大きく落ち込んでいる。また原油高や輸送コストの増大などからの影響も避けて通れない。ミュージアムがこうした状況にあるなか、様々な支援する方法をまとめてみた。思い入れのある美術館や、地元の美術館など、ぜひ支援してみてほしい。 美術館「友の会」に入会する 美術館の活動をサポートし、展覧会の割引などの様々な優待を受けられる「友の会(メンバーシップ制度)」。ただ支

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  • 5万2000点の盗難美術品にアクセス可能。インターポールが独自のアプリを公開

    5万2000点の盗難美術品にアクセス可能。インターポールが独自のアプリを公開インターポール(国際刑事警察機構)は5月6日、インターポールが把握している盗難美術品を検索できるアプリ「ID-Art」をリリースした。 インターポールのウェブサイトより インターポール(国際刑事警察機構)は5月6日、盗難美術品に特化したアプリ「ID-Art」をリリースした。 ID-Artより このアプリは、インターポールの盗難美術品データベースへアクセスできるもの。同データベースは盗難美術品や行方不明になった美術品に関する警察認定の情報を含む唯一のグローバルなデータベースとなっている。 登録されている盗難美術品は5万2000点以上で、警察や税関職員だけでなく、個人コレクターやディーラーなどが盗難美術品を即座に確認できる。データベース検索は写真による画像検索と検索条件を入力する手動検索が可能だ。 ID-Artより 作

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  • 小池寿子が紐解く「死」の表現史──巨人の肩車に載って私たちは何を見るのか

    小池寿子が紐解く「死」の表現史──巨人の肩車に載って私たちは何を見るのか新型コロナウイルスの感染拡大は、私たちと「死」の距離を急速に縮めた。しかし歴史を遡れば、疫病による死が身近にあった時代は幾度も訪れている。とりわけ14世紀のペスト禍は、ヨーロッパの人口の3分の1とも言われる膨大な犠牲者を生んだ。そうしたなかで、人々はどのように「死」を芸術に表現してきたのか? また、その西洋の死生観には、どんな変遷があるのか? 中世美術の研究者で、ペスト後に隆盛した主題「死の舞踏」に関する著作でも知られる國學院大學教授・小池寿子による特別エッセイをお届けする。 文=小池寿子 編集協力=杉原環樹 死の舞踏(バーント・ノトケ?) 15世紀後期 タリン 聖ニコラース聖堂 カタストロフを振り返る 「コロナ」(皆既日時に見える希薄なガスの層、冠やガーランドに由来)という輝かしく美しい名を持ちながら、強烈な破壊力

    小池寿子が紐解く「死」の表現史──巨人の肩車に載って私たちは何を見るのか