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ブックマーク / hanshotfirstjp.hatenablog.com (86)

  • 「日本書記」はまとめて直したほうがいい、と、その他注意喚起 - Cask Strength

    今までも何度もちょこちょこと注意喚起してきましたが、ウェブ上で検索できる文献目録の弱みというのは、最初のデータ入力が間違っていたらその論文や著作は検出できなくなるということです。せっかくの学問リソースが手に入らないわけですから、これによる損失は計り知れない。 「楊雄」とか*1 *2 「随書」とか「元享釈書」等々多くの物を見てきましたが、とにかく非常に多いのは、「日書記」です。 (クリックで拡大)画像はCiNiiのものですが、日文学のプロであるはずの国文研のデータベースでも誤りが多いので、この際一気に直した方が良いのではないかと思います。もちろん、多くの人は自衛策として「日書紀」「日書記」の両方でチェックしているはずなのですが・・・。 (余談ですが、「日記」の場合は誤りでないこともあるので、注意してください。参考: CiNii 論文 -  翻刻 名古屋市蓬左文庫蔵「幸若音曲」(六

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  • 書名は著者が望んだよみで登録すべきではないか  - Cask Strength

    図書館目録等を日々利用させていただくなかで気づいたことを問題提起としてたまに記事にしていますが、その今年の第一弾ということで。 『玄奘三蔵 史実西遊記』(岩波新書)は数年前に復刊されまして、「在庫僅少」ですが、今でも新刊で買えるようです。 玄奘三蔵―史実西遊記 (1952年) (岩波新書〈第105〉) 作者: 前嶋信次出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1952/07/10メディア: 新書 クリック: 2回この商品を含むブログ (1件) を見る ほとんどの図書館では書の書名を「ゲンジョウサンゾウ」で登録しています。CiNii 図書 - 玄奘三藏 : 史實西遊記 音読せよ、と言われればみなさんも普通にそのように読むでしょう。 でも、書に限ってはおそらく正しくは「ゲンゾウサンゾウ」です。 (「はしがき」i頁) 「こまけぇこたぁいいんだよ!!(AA略)」という声が聞こえてきそうですが、実は

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  • 夏休みの自由研究(案)・葦毛の系統 - Cask Strength

    で登録されるサラブレッドの毛色は、八種類と決められています。競馬新聞を見ればわかりますが、栗毛・栃栗毛・鹿毛・黒鹿毛・青鹿毛・青毛・芦毛・白毛のいずれかなんですね。それぞれの毛色の特徴については、コチラ(http://www.studbook.jp/ja/keiro.html)の説明に譲ります。「白馬の王子様」といった場合の、「白馬」というのは、つまり「葦毛(芦毛)馬」を指すということがお分かりいただけるのではないかと。 競馬用語を知らない人が葦毛馬を指して「青い馬」と言うことがあります。灰色が強い葦毛馬の場合、太陽光線があたると毛の色が薄いブルーに見えるので、「青い馬」ということになるのですが、私たちが言うところの「青毛」とは真っ黒な馬のことなので注意が必要です。青毛に日の光が当たると、非常に深い濃藍になって、ため息が出るほど綺麗ですね。 葦毛について小話でも。 毛色の遺伝の仕組みに

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  • 文系だって捏造する - Cask Strength

    NHKのクローズアップ現代、今日の題目は「揺らぐ科学の信頼〜東大・論文ねつ造疑惑〜」。それを見ている親が、誰に言うでもなく、「まあ理系や考古学はともかく、文献を扱う分野で捏造ってことは難しいだろう」とひとりごちているのですが、何をおっしゃる。 大分前のことであるが、いくら探しても注に記されている史料がないので、直接筆者に史料の所在を尋ねた学生がいる。聞かれたその高名な学者は、途端に絶句し、何々家所蔵文書と記されているその家がなくなった、と答えたという。つまり注記の史料は、自分の仮説を実証するために捏造したもので、初めから架空のものだったのである。 ――中尾尭・村上直・三上昭美編『日史論文の書きかた』(吉川弘文館) 特に歴史学は政治的プロパガンダに利用されやすいので。

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  • 「我は信ぜず」とよめとでも? - Cask Strength

    フォロワーさんの引用RTで見かけたのですが・・・ この方はフォロワー数が多いので、やはり一言いっておくべきかと。 大伴家持の歌(『万葉集』巻四・774)にこういうのがあります。原文は、 百千遍恋跡云友諸弟等之練乃言羽者吾波不信 これは「百千度(ももちたび)恋ふといふとも諸弟らが練りのことばは『吾波不信』」というわけで、第五句は「われは頼(たの)まじ」(私は信じない)とよむものでしょう。おそらく漢字が伝来する以前からあったであろう古語「たのむ」は、何かを全面的に信用して身をゆだねるという意味で、まさに「信」そのものです。あてるべき訓が日語になかったとは、ふざけた話ですね。 「信」の字を「たのむ」とよむ確実な例がないので慎重になるべきだと言われればそれはそうなのですが、いずれにせよ、これは和歌の表現です。戯れの歌や、後世の釈教歌とかでない限り和歌に漢語は用いないのであって、たとえば「信ぜず」

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  • 中国人が初めて読んだ「和文」の文献は何だったのか - Cask Strength

    先日来、明の時代の貴族が『源氏物語』を読んだ云々というツイートが話題になりました(残念ながら、その元のツイートは削除されてしまいました)。 『源氏物語』が大陸に輸出され、それを明人が読んだとは到底考えられないのですが、そもそも前近代の中国人が読んだ最初の「和文」の典籍って何なんでしょうね。 日人の著作が海を渡り、大陸で受容されたという例は確かにあって、このあたりは王勇氏や田島公氏等の得意とする分野かと思うのですが、私も少し関心があって折に触れて調べていることです。その最も古く、かつ、最も有名な例は、聖徳太子撰(太子の作ではないという説もある)『勝鬘経義疏』が唐土にもたらされ、法雲寺の明空という僧がその末注『勝鬘経疏義私鈔』を作った(『大日仏教全書』所収。https://books.google.co.jp/books?id=5A7e1Tw-IAIC&hl=ja&pg=PA379#v=o

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  • 不安だらけの神埼市「千字文モニュメント」 - Cask Strength

    市では、「王仁天満宮」と刻まれた石祠に着目し、5世紀の初め百済から日へ論語と千字文を伝えた、古事記や日書紀にも登場する「王仁博士」の歴史遺産(夢資源)として捉え、古代からつながる歴史のロマンを体感できる新たな観光施設として、市民とともに王仁博士顕彰公園の整備計画を推進しています。 当公園内には、王仁博士の功績を顕彰する施設として、「二儀日月」で始まる鍾繇(しょうよう)千字文のモニュメント(965文字の記念碑)を整備しますが、神埼市民はもとより、全国のみなさんにも関心をもっていただくため、一人一文字ずつの揮毫をお願いすることにしています。 http://www.city.kanzaki.saga.jp/main/7853.html 歴史的事実かどうかもわからないことを公金で顕彰していいのかどうかという不安もさることながら、その中身が「鍾繇千字文」だというのは再考を要するのではないでしょう

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  • 源順と「紫陽花」(授業のネタに使える話) - Cask Strength

    私たちに馴染みのある『紫陽花』という表記になったのは、平安時代のことです。学者であり歌人の源順(みなもとの したごう)は、中国の白楽天の詩を読んだ際、その詩に記されている『紫陽花』と、日でよく知られるアジサイが同じものだと考えました(実際は別種の植物だったようですが…)。このことをきっかけに、アジサイに『紫陽花』という漢字があてられるようになったのです。 http://www.tenki.jp/suppl/daaaaamegane/2017/06/10/23311.html オレ「どう考えてもこの記者さんはちゃんと調べものをせずに書いていると思うので、この『源順は・・・』以下のところを検証するのがA君の課題です」 A君「はい、わかりました」 〜翌週〜 A君「調べてきました!源順が編纂した辞書『和名類聚抄』に書いてありました!こちらです」 (『諸集成 倭名類聚抄 文編』470頁。htt

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  • 「おもう」「思う」「想う」 - Cask Strength

    いつも楽しく拝見している毎日ことばですが、今回の「なぜ新聞は「想う」を使わないか」と題する記事には少し「おもう」ところがありました。 「想」はかつての当用漢字表でも今の常用漢字表でも「ソウ」の音読みだけが掲げられています。常用漢字表は2010年に改定され、「鑑」に「かんが(みる)」の訓が認められるなど一部音訓も拡大しましたが、「想う」については依然認められていません。 したがって、少なくとも学校では「想」に「おも」という読みは教えていないはずです。新聞は基的に義務教育で学ぶ範囲内の漢字を心がけていますから、「想う」は認めていないことになります。 (中略) 歴史的には「おもう」に「想う」の字を当てることが一般的になったのは、それほど昔からではないようです。大野晋さんの「古典基礎語辞典」には「おもふ」「おもい」などの項で膨大な用例が集められていますが、ほとんどが平仮名か「思」です。わずか1例

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  • 「ほねとかわとがはなれるおと」 - Cask Strength

    「ひさしくなおらないやまい」やら「ほねとかわとがはなれるおと」 事情を知らない人はこのツイートを見て「なんじゃこりゃー!」と思ったかもしれませんが、これは諸橋『大漢和辞典』の「字訓索引」を通覧したのでしょうね。 「ほねとかわとがはなれるおと」の左右にも穏やかではない漢字がいろいろありますな!(肝心の「砉」字が潰れちゃった><) ただ、ここに列挙されているものは漢語の訓詁(語義)をやまとことばに和らげたものに過ぎないのであって、そのように実際にヨマれたものでは必ずしもないわけです。なので、これらを「読み仮名」と言ってしまうと、ちょっとね。 たとえば、今回の「ほねとかわとがはなれるおと」の典拠は『荘子』(養生主)の、あの有名な庖丁が登場する箇所での「砉然嚮然」なのですが、この「砉然・・・司馬云、皮骨相離声」(『経典釈文』)という権威ある注釈を和語で説明しただけなのです。実際は音読みする(ケキあ

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  • オレ的「これだけは揃えておきたい岩波現代文庫」 - Cask Strength

    https://www.amazon.co.jp/dp/4002052400 「これだけは揃えておきたい岩波現代文庫(39点40冊セット)2017」に含まれているのは一体何なのか・・!?その詳細については何も書かれていないが、こんなので注文しようとする人がいるのか?大丈夫かアマゾン・・! というわけでオレ的な「これだけは揃えておきたい岩波現代文庫」をリストアップしておくよ。到底40冊には及ばないだろう、と当初思っていたのですが、47冊になりました。不勉強な人間なので、自信を持って(「今さらそれを挙げるのかよ!」というのも含めて)勧められる岩波現代文庫はここまでだよ・・・すまぬ・・・。例のように、一部の分野に片寄ったリストですし、迂闊にも見落としてしまったものもあるでしょう。ブログの読者のみなさまからいろいろとご教示いただければ幸いです。 神話と文学 (岩波現代文庫―学術) 作者: 石母田正

    オレ的「これだけは揃えておきたい岩波現代文庫」 - Cask Strength
  • その漢字、どうよむの?――『角川大字源』の「古訓」欄が便利 - Cask Strength

    『古写和名類聚抄集成』 - Cask Strengthのエントリ以来、教育的(?)な配慮をもって書いていることが多いと感じる今日この頃。今日もそんな感じ。 普通なら、「いいこというね」とスルーするところですが、腐儒が空気を読まずにこれを検証するとしたらどうすればいいか。 ある漢字が伝統的にどのようによまれてきたか(訓読み)ということを調べるには、そういった訓を集成してきた『類聚名義抄』や『字鏡集』や『倭玉篇』といったものにあたることになります。しかし、このような古辞書の類は、そのスジの人なら当然自宅の書斎に備えつけているわけですが、一般家庭にあるような代物ではない。それに、いちいち何冊ものに目を通すのは面倒ですよね。 そこで便利なのが『角川大字源』の「古訓」欄です。書は一家に一冊置いておくといい辞書だよ。角川大字源 作者: 尾崎雄二郎,西岡弘,山田俊雄,都留春雄,山田勝美出版社/メー

    その漢字、どうよむの?――『角川大字源』の「古訓」欄が便利 - Cask Strength
  • OCRのミスが放置された例 - Cask Strength

    たとえば、著作集や全集を作る際に初出の著作をOCRで読ませて校正・編集する、ということもだんだん普通になってきているとは思うのですけれども・・・ (「辞書史と片仮名」、『築島裕著作集 第三巻』汲古書院、2016年。66頁) これもその一例でしょうか*1。さもありなん。校正者の目をすり抜けても仕方ないかもしれません。 しかし、普通の用語ばかりを使っている文章ならともかく、前近代の資料を扱っているものはOCRで読ませて校正するよりも、内容をよく理解している編者が自ら打ち込んでいったほうが、最終的には誤りも少なく、作業もはやく終わる気がするのですが、どうなんでしょうね。 *1:無用の説明だとは思いますが、×公住 → 〇公任

    OCRのミスが放置された例 - Cask Strength
  • 『口訳万葉集(上)』 - Cask Strength

    口訳万葉集(上) (岩波現代文庫) 作者: 折口信夫出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2017/03/17メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る 折口信夫『口訳万葉集』が岩波現代文庫に入りましたが、その「解説」は、いかがなものか。 最高に純粋だった。ということはつまり最高にバカだった。 (483頁) くり返す。『口訳万葉集』とは、折口信夫が最高に純粋で、最高にバカだった時代の、最高の知と愛と情熱の結晶である。 (492頁) 編集部は何も意見を言わなかったのでしょうか。褒めているのだからいいのだ、とでも? この「解説」で延々と繰り広げられているものは素人談義のように読めます。 小鳥のようにおしゃべりだったり、リスのように落ち着かない子、じっと折口をにらんでいたへそ曲がり、すねっ子。なつかしい「八十人ばかりの子ども」の一人一人の顔を思いうかべ、その顔を相手に折口は訳したとい

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  • 1963年以前にも「厩戸王」の用例はある - Cask Strength

    指導要領改定案の問題点:「厩戸王」は戦後に仮に想定された名、「うまやどのおう」も不適切【訂正・追加】 - 聖徳太子研究の最前線 私も「厩戸王」に変更するという試みには首をかしげるほかありません。それを言いだしたら、天皇の漢風諡号はアウトですし、そもそも天武より前の(推古という説もある)「天皇」号もアウトでしょう。「聖徳太子」はダメで「推古天皇」はOKというのは、どう見ても筋が通らない。従来通り「聖徳太子」で問題ないでしょうし、「厩戸皇子」でもいいでしょう。 しかし、「厩戸王」が不適切であるということを主張するために上記ブログの記事のように言うのはいかがでしょうか。「厩戸王」という表記が小倉豊文氏や田村円澄氏の著作によって定着し、流布したというのは事実であっても、「厩戸王」は戦後の造語であって「どの時代の史料にも見えません」というのは事実に反します。 (『甲斐国志』巻四八。 http://d

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  • 学会の研究発表会に行くメリット――声に出して読みたい学術用語 - Cask Strength

    一般人にはあまりなじみがないでしょうけど、人文系の学会はだいたい春と秋(あるいはどちらか)に大会を行なうことが多く、五月以降はまさに「学会シーズン」といえる時期です。 今月は所属学会の大会が一つあるのですが、他の週末も、後輩の応援と、とある打ち合わせのために某学会行事に出席します。 学会行事に参加するメリットは、最新の研究成果を拝聴できるというだけでなく、懇親会でいろいろな人と親睦を深めて情報を交換できるという点が大きいのですが、教壇に立つなど人前で喋る機会が増えてきたところで別のメリットにも気づきました。 学会の共通理解として、あるモノをどうよむのか、ということを学ぶことができるのです。 文章で書くだけなら気にとめなかった表現や語句も、いざ「音読せよ」と言われたら「えーと、どうよめばいいかな・・・」と思うことが結構あるのです。 一例。出土資料や写などで、字があることはわかっても虫喰や欠

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  • 少し困る影印本 - Cask Strength

    CiNii 図書 - 京都国立博物館蔵『朝文粋巻第六』 ; 大谷女子大学図書館蔵『新撰字鏡類韻』 拝読にあたってパラパラとめくったところ、また軽い違和感が・・・ なんとはなしに、読みづらくありませんか(頁数と行数に注目)?そう、これはあの時感じた違和感にそっくり・・!(参照:中国で刊行された論語の影印の体裁がおかしい - Cask Strength) この影印を見ようとする時はを右に90度回すことになるわけですが、そうすると、まず下に来る頁(今回でいえば10頁)を見てから上の頁(11頁)を見ることになる。来であれば、同じシリーズの、 CiNii 図書 - 道明寺天満宮蔵『新撰万葉集』 のような体裁が望ましいのは当然のことです。 しかし、これは意図的なものではなくて、うっかりミスの一つでしょう。そして、うっかりだとすれば、こういったことはいつか私たち自身もやりかねないということを意味

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  • 「全て」ということ - Cask Strength

    越境する古事記伝 作者: 山下久夫,斎藤英喜出版社/メーカー: 森話社発売日: 2012/09メディア: 単行 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る ある必要があって書を部分的に読み返していたのですが、ふと、以下の文が目にとまりました。 その営みは、『古事記』文の全てにわたって訓みを記した『訂正古訓古事記』として結実する。 (金沢英之氏「神話から現実へ」180頁) 「その営み」というのは、宣長が『古事記』から「古伝」を再構築する営みということです。 もちろん、この文章自体は何の問題もなく首肯されることなのですが、もし試験の解答にこう書かれてあって、揚げ足取りの好きな教員が採点をしていたら不正解にされかねません。 (『訂正古訓古事記 下』http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2578742/15)「十三丁一行目、赤線で囲った「免寸」、訓

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  • 「底本の文字を出来るだけ忠実に活字化するよう努めた」 - Cask Strength

    『古事記学 第二号』を拝読しました。 http://www.kokugakuin.ac.jp/oard/kojikigaku.index.html 注目すべきは「敷田年治『古事記標注』の翻刻と研究」です。『古事記標注』は『神道大系 古典註釈編一』にて上巻が翻刻されましたが、中巻以降は翻刻も影印も公刊されないままでした。今では近デジおよび早稲田の古典籍総合データベースで全巻読むことができますが、このような作業は助かります。 古事記標注. 上ノ上 - 国立国会図書館デジタルコレクション 古事記標注. 上,中,下巻 / 敷田年治 注 ←近デジは文字が鮮明でないので、こちらを推奨。 しかも、この翻刻では、 ・・・敷田が見直しを図った『古事記伝』の訓および所説との比較を行い、相違点を把握できるよう注釈文を掲げることとした。具体的には頭注欄を設け、『古事記伝』との異訓・異説をあわせて注釈文を参照で

    「底本の文字を出来るだけ忠実に活字化するよう努めた」 - Cask Strength
  • 『漢辞海』第四版が掲げる「日葡辞書の読み」の注意点 - Cask Strength

    全訳漢辞海 第四版 作者: 戸川芳郎,佐藤進,濱口富士雄出版社/メーカー: 三省堂発売日: 2016/10/26メディア: 単行この商品を含むブログ (2件) を見る [改訂の重点の]第三点は漢字熟語の音読みに『日葡辞書』の読みを加えたことである。我が国中世の作品『平家物語』『徒然草』などでは、上洛をショウラク、中秋をチュウジュウと読む。そういう読み方は従来の漢和辞典には記載が無く、十六世紀の『日葡辞書』のみが役に立つ。辞典の熟語で普通の読みと異なる『日葡辞書』の読みがあればそれを書き加えた。 (第四版の序、3頁) 当たり前のことですけれども、こういうものが出てきたら『日葡辞書』を実際に引いてみてくださいね!以下述べるように、『漢辞海』だけでは誤解しかねないところもありますし。そういう意味では、『漢辞海』が『日葡辞書』を手にとるきっかけを作ってくれるわけですね。なかなかいい話。邦訳日葡

    『漢辞海』第四版が掲げる「日葡辞書の読み」の注意点 - Cask Strength