間違いなく起きるスタグフレーション アメリカで以前に過度なインフレが抑えられなくなったのは1960年代後半だ。 60年代前半にはインフレを比較的低く抑えこめていたが、60年代末には急速なインフレが進んだ。消費者物価指数(CPI)も、そこから食料品やエネルギーを除いたコアCPIも6%を超えた。その原因は、ベトナム戦争の費用やリンドン・ジョンソンによる福祉拡充の「偉大な社会」政策に加え、FRBの失策にあった。 インフレは1970年前半にピークに達し、1972年8月には3%を下回った。しかし、このインフレは一過性のものではなく、その後再び物価が上昇したのだ。 それは1973年10月の第四次中東戦争によってオイルショックが起きる以前のことだ。1973年のCPIの上昇の57%は食品価格の上昇に起因し、エネルギー価格の影響はわずか8.2%程度だった。 当時の食品価格の急上昇には、さまざまな要因が絡んで