米国のファッションドール「バービー」。このいかにも米国的な彼女が生まれたのは、なんと日本なのだという。日本文化に詳しい米国人ジャーナリストで通訳・翻訳家でもあるマット・アルトが、知られざるバービーの生い立ちを明らかにする。 「バービー人形」と聞くと、理想のファッションに身を包んだ現代女性の理想形、というイメージがどうしてもつきまとう。米「ニューヨーカー」誌がかつて評したように、バービーは「過ぎ去った時代の名残であり、同時に女性と仕事、セックス、男たちといった変化し続ける概念の最先端」でもある。ようするに、バービーはアップルパイと同じ、いかにも米国的なキャラクターなのだ。 だから、「実はバービーは完全なるメイド・イン・ジャパンですよ」と言われれば、誰しもエッと驚くかもしれない。 玩具メーカー「マテル」の共同創業者ルース・ハンドラーは、1956年にバービー人形のアイデアを思いついた。だが当時マ