アルゼンチン北西部に、「家族」という概念を知らない女性たちがいる。彼女たちはなぜ一人で生きていくのだろう。幸せなのだろうか──。 すべてはカメラマン、アリエル・パチェコの一言から始まった。伝説にすぎないかもしれないが、アルゼンチン北西部・カタマルカのどこかに、「男がいない地区」があるらしい、と。そしてもし噂が本当ならば、その場所はアントファガスタ・デ・ラ・シエラという村にあるらしい、と。 さっそくインターネットで調べてみると、その辺りはリャマに似たビクーニャという動物が生息し、火山や古代人が描いた岩絵などがある場所だということがわかった。そこを訪ねるには、まずカタマルカの州都サン・フェルナンド・デ・カタマルカまで行き、さらに車で12時間の道のりを辿らなくてはならないそうだ。 そんな村は果たして本当に存在するのだろうか。私はグーグルの検索ボックスに、「アントファガスタ」「独身女性」「レズビア