気候変動に伴う地球環境の急速な変化に適応できず、絶滅の危機にひんする動物がますます増えている。そんななか、種の保存のための切り札として、異種交配を人工的に行うという方法が注目されている。 しかし、これには科学者の間でも賛否両論がある。人工的な異種交配による種の保存にはどれだけ期待できるのだろうか。英紙「ガーディアン」が、さまざまな立場の科学者に話を聞いた。 適応の可能性を高めてくれる遺伝子多様性 ヒューストン船舶航路はある魚にとってゴミ屋敷となっている。ここは世界で最も忙しい港であり、その交通のせいで水面に有毒な化学物質の膜ができている。だが、そこに生息するガルフキリーフィッシュは、生き残る方法を見出した。たまたま変異によって耐性をもっていたマミチョグと異種交配することで、汚染物質への耐性を身につけたのだ。 異種交配、あるいは雑種形成は、自然界において私たちがかつて考えていたよりも頻繁に起