「最悪ではない」だけの存在 9月29日の自民党総裁選における岸田文雄の当選後、「最悪のシナリオを回避」というようなコメントがTwitter上で多く見られた。 そう発信していたのは主に右派で、その最悪のシナリオとは、1回目の投票でもっとも多くの党員票を獲得した河野太郎が当選することだった。独立志向の閣僚であった河野は、自民党を率いるにはリベラルすぎると右派には考えられている(自由民主党という党名はその実態には不適切だろう)。 一方、日本のリベラル派も総裁選の結果に安堵した。彼らにとっての最悪のシナリオは、国粋主義者の火付け役である高市早苗の当選であった。