私たちのお尻についている「肛門」、見られてはいけないそれには、恥ずかしい印象がある。それゆえに専門の研究者も少なく、まだ明らかになっていない点も多い。しかしそれは、実は生物の進化上において欠かすことのできなかった重要な器官で、信じられないほど多機能な肛門を持つ生物もいるという。 「出す」だけじゃない、ナマコの穴 ナマコを覗くときには、顔を見てはいけない。ナマコには顔がないのだ。代わりに、その体の向きをそっと変え、多機能で不思議な肛門を覗いてみよう。 ナマコにある穴は、消化された物の出口というだけではない。それは藻類を食べるための仮の口でもあり、擬似的な肺でもあり、自身を守る武器にもなる。穴から粘着性のある糸状の内臓の網を出して捕食者を巻き込めるのだ。さらに、呼吸でお尻が膨んだ際には、それはパールフィッシュの住処にもなる。