ブックマーク / kurokoshusaru.hatenablog.com (173)

  • 白露の三辻山遊山 秋雲 -        猿板

    先人が祠を納め結界した 稜線に立つ岩が導くような杣道を この森で最も深い処に分け入った。 ◆杣人の道 この杣道は安芸郡で国を越え 津野山郷(梼原)まで確認できる 起源は解らない四国山岳の街道で 今も苔むした石積が残っている。 ◆台風を観る 「暗い雲が来たで」 一昨年から続いた伐採で 南に視野が開けたおかげで 山頂の眺望が得ることが出来る。 雲は厚さを増し暗くなった。 遅く見えるのは遠くて大きいからで 台風は真西に来て距離が近くなり 引き込みが強くなった様に感じた。 ◆森の中のもう一つの森 「風が強いに鳥が鳴きゆう」 僕らがまほらと感じる処は 稜線の鞍部にあって風が収束し その風に乗って鳥は山を越える。 それも人は体験し考え学ぶ必要があるが 森の命らは遺伝子の中にあるから大丈夫。 ここまで雨に遭わんだけでも幸運だったな。 「さあ おしまい」 ◆かえり道 どの森にもまほらはある。 それは山の平

    白露の三辻山遊山 秋雲 -        猿板
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    fwss 2024/09/25
    良く拝見させていただいてます。新鮮な空気が伝わってくるような‥。わたくしは、四国も九州と同じように熊がいないと思っていたのですが、いるんですってね。見られたことはありますか?
  • 台風圏内の三辻遊山 結 -        猿板

    今日 三辻山を選んだ理由は 登り口までの台風の影響を考えて 主要道路から近い山であること。 「林道も心配やしね」 ◆赤良木園地 稜線から緩やか下った山道は 昭和の頃の忘れられた園地に至る。 いつも一する静かな処も 今日は強く風の音が響いていた。 ◆三辻の森 古の杣道が敷かれた森は 自然に生えたブナと樫が並ぶ 暖温帯と冷温帯樹木が混生する 日でも珍しい植生が生きている。 「また葉っぱが透いたね」 季節変わりもあるけれども 台風は木々の枝葉を剪定して 大地に恵みを降ろしてくれる。 「朴は大きい葉を落とすき よけい森が開くね」 森から見上げると解るけど 樹々は葉が重ならないように葉を広げる。 森には動けないものも沢山いるが 自然は全てのものに等しく恵みを与える。 ◆森の中のもう一つの森 「凄い風! 大きい雲が流れゆう!!」 山道は稜線の鞍部に近づき 南に視野が開けた伐採跡に出る。 「気持ちい

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    fwss 2024/09/11
  • 台風圏内の三辻遊山 承 -        猿板

    「雨上がったね」 標高約900mの登り口の空には 台風が引き込む低層雲と吹き上がる 上層雲の逆方向の流れが見て取れた。 ◆登り口のこと 登山で大切なことは登り口での空読み。 入山までネガティブに空読みしたものを 持って上がって登り口の空と比べてみて 僕らも何度か引き返したことがある。 この雲の動きはやっぱり回復だな。 吹き上がる突風はあるかもしれないけど 下山まで風が気持ちよく歩けると思うよ。 さあ 行くか。 ◆林道のこと 「緑が活き活きしてきた」 三辻山への山道は 廃坑へ続く林道から始まる。 林道は風の通り道だから。 林床に生きる草たちも 特に風は必要としていて 風が無いと土の乾きが悪くなり カビなどの温床となる事がある。 水、風、日光、波も自然を成し 人が奪えば自然はダメージを受ける。 なので「エコ」と言うのであれば 発電は科学的に考える必要がある。 ◆植林のこと 「ミンミン鳴きはじめ

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    fwss 2024/09/09
  • 台風圏内の三辻遊山 起 -        猿板

    台風は東へ進み西日では引き続き 河川氾濫や土砂災害、強風に警戒が必要。 また台風から離れた東日や北日でも 湿った空気の影響で太平洋側を中心に雨が降る。 ◆空を読む そうマスコミは発していたが 長く台風を観てきた土佐っ子の僕は 雨雲や幾つかの今後の進路予想で 高知は雨雲が去る様に思えた。 よっし tochiko行くで! ◆川を遡る 「登る人おらんでねぇ」 台風の中心が徳島に入った休日 tochikoとかよう三辻山を訪れた。 いい空模様になってきたけどね。 高知市の北山を越える山間県道で 鏡川に添って源流域の森を目指した。 この台風の雨雲域は狭く台風圏でも 中心過ぎれば西側は晴れると読んでいた。 台風が生まれた時の中心気圧から 海水温や太平洋と大陸の高気圧など 自分で動くことが出来ない台風に 何がどう影響するかを毎日観てきた。 ◆山懐に入る 「私の好きな抹茶色」 鏡川を渡った山間県道は

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    fwss 2024/09/08
  • 初秋の加持ヶ峰遊山 新涼 -        猿板

    歴史を1300年溯る定福寺。 その奥ノ院は佐賀山谷川の 支流湧き出す深い処にある。 ◆深山のお寺 「さらさらした秋の風」 風が吹き上げ気温は21℃ 登り口から2℃下がった。 秋って感じる新涼だな。 ◆清めの域 一休みした後石段を登りはじめた。 かつて梶が森は「加持ヶ峰」と呼ばれ 若い弘法大師が修行したとも伝えられ 奥ノ院から上には幾つかの行場がある。 僕らが通う佐賀山谷川の紅葉谷は 自然の領域で人は修験以外入らず かつて斧を入れたことのない樹々が 根を張り枝を差し交わす森がある。 「酸っぱいイチゴ」 秋に入り野苺が実を結び サンヨウブシが蕾を立てた。 季節の移ろいだな。 ◆大岩を登る 「渓の風やね」 渓に降りた山道に風が抜ける。 気圧差によって山を昇る風は 渓に集まり稜線に吹き上がる。 渓風を受ける桂の木が 身体に似合わぬ小さい葉を揺らす。 御前がこの山道で一番の美人さんだよ。 山道はこの

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    fwss 2024/08/27
  • 初秋の加持ヶ峰遊山 秋草 -        猿板

    登り口から見上げる空は 澄んで高々と晴れ渡る秋空だった。 この秋日和の眩しい日ざしのなか 穏やかに過ぎていく一日を感じた。 ◆登り口のこと 今日はいい汗掻けそうだな。 標高約900m登り口の気温は23℃。 台風の攪拌で海水温の低下もあるが 陽の傾きで南下する寒気も感じさせた。 「アブもブヨも減ったね」 夜の気温が下がったせいもあるけど アキアカネが上がって来ゆきね。 さあ 行くか。 ◆植林のこと 祈りの山への山道は 人が植えた杉檜の林から始まる。 植林は渓に切れ落ちる斜面にあり 今日も涼しい風が吹き上がっていた。 「草紫陽花だけは 秋に咲くがよねぇ」 日は季節それぞれに咲く 花を楽しむ事が出来る国だから その風土が遊山を生んだのだろう。 ◆大岩の森 植林を抜けた山道は 地形を成す大岩を登り始め 鳥や風が運んだ種が岩盤に 根を張った自然林を登る。 「ママコナ咲きだしたで」 この土壌が乏しい

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    fwss 2024/08/25
  • 立秋の三辻山遊山 秋立つ -        猿板

    「ミンミン見つけた!」 日中国に分布するセミ科の一種。 黒地に緑の斑紋があり翅は透明で 盛夏に強く「みいんみんみん」と鳴く。 ◆忘れられた園地で tochikoが煎れた珈琲飲みながら 蟬時雨と囀りを聞く静かなひととき。 これらを気持ちいいと感じられる 日人に生まれて良かったと思う時。 ◆深く分け入る 40年毎週末山を歩いてきて 山に登ることでメンタルが変わり 僕らも雑念が消えることを感じて 他の人の多くも感じていると思う。 例えば熊野那智大社は長い参道登って 心的、精神的な変化が少しずつ現れ ピークに達したとき神社に辿り着く。 これも遺伝子に刻まれた記憶だと思う。 「これシキミも実でね」 “奥山のしきみが花の名のごとや” 万葉集にも詠まれた猛毒の実を結んでも 仏前に供えて永く日人と共生してきた木。 「和尚さんの読経みたい」 ほんと短い命の蟬時雨は 生死の境にあるんだろうなぁ。 ◆森

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    fwss 2024/08/20
  • tochikoな山歩き 虫声 -        猿板

    朝の明るさが変わってきて 陽の傾きを感じ始めたと思ったら まだ蕾だったヒオウギが咲いていました。 山に入ると 小さなミンミンゼミの大音響 蝉はハルゼミ、ニイニイゼミ、アブラゼミと 鳴く時期も順番もあり 季節を感じる声のひとつです。 子供の頃遊んだ帰り道 夕立でびしょびしょになって歩いた夏休み 峠からの雲は その頃を思い出すような変化でした。 今も同じ虫声と共に歩く その時までの道が続いているようでした。 蟬鳴けり泉湧くより静かにて  水原秋櫻子

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    fwss 2024/08/17
  • 大暑の加持ヶ峰遊山 夏休み -        猿板

    真名井の滝頭の風景は 梶ヶ森の自然を詰めた箱庭。 この日は僕らを滴るような 万緑の佇まいで迎えてくれた。 ◆滝頭のこと 「雨も気持ちいいね」 いつもよい風が吹く 大岩の頭の一つに建てられた 東屋でいつも一休みしている。 「西瓜あるで」 tochikoの気遣いで 小雨を眺める一時もいいなぁ。 頂きます (^_^) ◆まほらのこと 岩頭の東屋で汗を引かせて 梶ヶ森のまほらに下った。 この紅葉谷と名付けられた 渓谷が佐賀山谷川の源流となる。 「水の風やね」 日照が続いても涸れることなく 常に澄んだ水が湧き出し山麓に下る 真に清い水出流ここをまほらと感じる。 穏やかな水の回廊の先から 霧となった水を風が運んでくる。 今日は真夏の水遊びやな。 ◆森の中のもう一つの森 「涼しいねぇ」 高い稜線の近くにあり 川が生まれる最も深い渓谷に 森の中のもう一つの森がある。 ここは囀りも蟬時雨も楽しげで それはも

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    fwss 2024/08/07
  • 大暑の加持ヶ峰遊山 水遊び -        猿板

    枝沢湧く深い処 歴史を1300年溯る 定福寺奥ノ院がある。 ◆深山のお寺 いつも最初の休憩をとる 梶ヶ森の8合目に奉られた 奥ノ院の宿坊だった遍照院。 気温22℃はいい感じやな。 「風が変わるね」 境内の樹々も葉が出揃って 向こうの山並は見えなくなったが 木の間を抜ける風は涼しくなった。 ◆聖域に入る 若い弘法大師が修行したと伝わる 梶ヶ森には幾つかの修験の場があり 僕らは佐賀山谷川を溯る道に分け入る。 古来日文化において 山岳信仰は男の務めとして 異性に対する妄念を断つため 深く厳しい山奥を修験とした。 そんな深山は女性一人では 入ることが出来なかったため 男女の差別ではなく結果として 女人禁制になったように感じる。 ◆大樹の森 佐賀山谷川に下る山道は 急峻に切れ落ちた渓底に降りて 斜面に根を張る大樹の森に入る。 先人が神処と崇めた深い渓は 自然の領域で人は修験以外入らず かつて斧を入

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    fwss 2024/08/06
  • 晩夏の三辻山遊山 夏草 -        猿板

    「これはスジアゲハ」 夏に見られる大型の蝶のこと。 色地に黄色などの複雑な模様を持ち 大きく美しい翅の黒揚羽などもいる。 ◆登り口のこと 僕らの山歩きは登り口の 開いた空の観天望気から始まる。 西から薄い雲の動きは遅い。 今はこれだけで十分だな。 「ブヨいないね」 標高約900mの気温は30℃ 陽射しも風も弱く気温が高い。 大雨で幼虫が流されたんだろう。 ◆林道のこと 三辻山への山道は昭和の頃 廃鉱した鉱山の林道から始まる。 ウエアは「夏用」と言っても 日々気温や風も湿度も違うもの。 まず速乾性だが早く乾けば いい訳でなく表皮で乾かして 気化熱を奪う構造が必要なので 僕は吸水するメッシュ構造は着ない。 「どうも昨日夕立やったね」 そして湿度と風や気温によっては ある程度の保温力を持つことが大切で これを誤ると夏でも低体温症に陥る。 ◆林道のこと 「夏草は盛りやね」 林道を別れ工石山登山道に

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    fwss 2024/07/28
  • tochikoな山歩き 百合の花 -        猿板

    つづら折れに曲がる 峠への道には タキユリが満開を迎えていました。 1ヶ月前から ずっと蕾を付けていて 小さく堅いそのつぼみを 車の窓から追っていました。 「いよいよ最終やね」 月の満ち欠けのように 季節は過ぎて行きます。 かよう道の テンニンソウの葉は より虫の事の跡が目立ち それはそれで夏の終わりを語っているようでした。 道ばたのクサアジサイ 雨上がりの蜘蛛の巣 空蝉にトンボ 命の営みが見える道で 鶯と蝉との合唱に包まれました。 起ち上る風の百合あり草の中  松たかし

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    fwss 2024/07/26
  • 晩夏の三辻山遊山 山並 -        猿板

    梅雨前線が日海から北日に停滞し 前線に近い日海側を中心に雨が降る。 一方西、東日の太平洋側は広く晴れるが 山沿いほど天気の急変に注意が必要だ。 ◆空を観る 太平洋高気圧は勢力を強め 西日や東日は晴れる日が多くなる。 夏番の厳しい暑さの日が続くが やはり不安定な天候には要注意。 この日、四国地方は梅雨が明け 夏番の暑さの季節に入ったが 海水を攪拌する台風の接近はなく 日近海の海水温が高いのがどうか。。。 ◆川を遡る 「朝からこの気温」 昨日、梅雨が明けた休日 tochikoと通う三辻山を訪れた。 蒸せた空気が見て取れるよ。 高知市の北山山塊を県道で越え 鏡川を溯り源流域の森を目指した。 梅雨の花合歓が色褪せ 季節変わりを感じるなぁ。。。 県道沿いには夏の花の代表 ユリの仲間が盛りを迎えている。 「これは崖百合と書いてタキユリ」 ◆山間に入る 「水多いね」 橋から見る鏡川は

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    fwss 2024/07/25
  • 晩夏に入る三辻山遊山 夏の風 -        猿板

    苔むした石積が支える杣道は 工石山の南山麓の集落から始まり 山域の幾つかの峠を繫いだ古の道。 ◆杣の道 そんな山中を歩く道で この祠のあった大岩は 時に激しく変化てきた森で 確かな道標になったろう。 ◆海を観る 「風がぬるいね」 特に伐採跡で解りやすいが 暖まった空気が山に添い上昇し 積乱雲となって荒天をもたらす。 これが石鎚山系の稜線の上に 浮かんでいた雲が出来る仕組み。 特に夏の稜線は要注意。 「行かんし」 ◆森の中のもう一つの森 「ここは涼風やね」 杣道はこの森のまほらと感じる 工石山山系主稜線にある窪地に降りた。 ここは風が北から昇るから。 「さあ おしまい」 この寒暖のぶつかりで 落雷や突風が発生する。 この時期の山は慎重に。 ◆かえり道 全ての生物の運動エネルギーは 低い気温に熱を逃がして得るもので 人は汗を掻き気化熱を奪って冷まし 他の動物は涼しい処でじっとしている。 ただ全

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    fwss 2024/07/17
  • tochikoな山歩き 温風至 -        猿板

    あつかぜいたる 南から熱風が吹き 暑さや湿度が増す。 梅雨の初めに吹く風を「黒南風(くろはえ)」 梅雨明けに吹く風を「白南風(しらはえ)」という。 梅雨らしい湿った空気の かよう道 「飛んだ!」 目で追うとコゲラでした。 立ち止まっていると コガラの群れと一緒に 飛んでいる姿に出会えました。 薄暗い道の脇では 昆虫の姿が目立ちます。 「葉緑素を蓄えたからどうぞ」 とでも会話しているようで 森全体の大きな渦を感じます。 新たな花の蜜を集める ハナアブも健在で ツツジの 結実した姿に出会いながら 蝉時雨を抜けました。 青梅雨の深みにはまる思ひかな  石川桂郎

    tochikoな山歩き 温風至 -        猿板
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    fwss 2024/07/13
  • 夏至に入る三辻山遊山 あけび -        猿板

    「アケビの赤ちゃん」 山野に生えるアケビ科の蔓性落葉木。 楕円形の実は熟すると果皮が裂けて 黒い種子を含む白く甘い果肉が見える。 ◆杖塚のこと 自然休養林の公園広場。 いつも杖塚の広く開けた空で 雲と風向きで天気を見ている。 「囀りが賑やかになった」 動きが速い雲が切れてきた。 今日は変化の前触れだろうか。 鳥らも感じているのだろうか。 「これは蜂?」 イボタの蜜を吸う花虻。 「縁起物のおもとが咲いた」 お初にお目にかかります m(_ _)m ◆峠に下る 杖塚で一休みした後 来た道を少し引き返し 古の杣道に入り峠に下る。 「美味しくない野苺」 この古い山道にも 命を繫ぐものらが生きる。 峠のせいか気温がさがった。 ◆赤良木峠 工石山を下った杣道が 降りた標高約1000mの峠には 北から涼しい風が抜けていた。 寒気が潜り込んだな。 暖気が押す南斜面を登り始めた 山旗雲がそれを知らせていた。

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    fwss 2024/07/02
  • 夏至に入る三辻山遊山 雨滴り -        猿板

    標高900mの登り口の空は 市内で見えていた青空はなく 雲底の暗い雲に覆われていた。 でも動きは速くないな。 ◆登り口のこと 風は弱く気温は19℃。 湿度は高いように感じるので 今日は夏の汗を掻けそうだな。 さあ 行くか。 「カッコウも鳴きゆうね」 ソウシチョウも飛びながら鳴いている。 まだ雨は降らないよと言ってるな。 ◆林道のこと 三辻山への山道は 昭和の頃に廃坑となった 鉱山に続く林道から始まる。 「雨上がりの風」 空気中に水分が多いと 振動する物質が多いため 音の伝わりも速くなる。 「鳥の天気予報はそんな感じ?」 「コガラも鳴きだしたね」 ほんと先人が感じたものは 今の化学でも裏付けできるよな。 ◆植林のこと 山道は林道を別れ 杉檜の人工林から始まる 工石山への登山道に入る。 「瓜の木は順番に咲く」 山地に自生するウリノキ科の落葉大低木。 葉は大形で浅く裂し基部は心臓形に開き 葉腋に

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    fwss 2024/07/01
  • tochikoな山歩き シリアゲムシ -        猿板

    おっ! 久しぶり。 かよう道で シリアゲムシに出会いました。 夏至を過ぎ これから日が短くなっていく頃 植物をべる昆虫を 捕する昆虫も居て 足元の葉の上は 小さな生き物に出会うことが多くなりました。 それを待つ蜘蛛も。 全てが役割を持ち 保たれている森の姿でした。 前の週に満開だったイボタノキも 花の終わりを迎えていました。 今日はマルハナバチ 残花にしがみついて ボロボロと花を落としています。 薄暗い緑の道に残るコガクウツギの白は 灯りのようで 陽を透かす葉の姿は 小さな命の跡でした。 雨音のかむさりにけり虫の宿  松たかし

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    fwss 2024/06/29
  • 河童の日々遊山 最終日 -        猿板

    山道で折れていたツツジを 持ち帰りデキャンタに活けていた。 ちょっと不安定? 花器になるものありますか? ◆山に行かない日 「そうそう! 大正ガラスのピッチャーがあるで」 そんな友人のギャラリー 企画展最後の日に訪れた。 ◆共に暮らすもの 「100年前の これどう?」 僕は若い頃から家の掃除が好きで 片付いていてないと気になって仕方がない。 なので目に見える範囲に多くのものは置かない。 「河童ちゃん えいやん!」 でも何にも置かないというわけでなく 細やかな飾りスペースは置いていて 季節の一輪挿しや小さい絵や器など 「侘び」「寂び」「チビ」をそっと置く。 それは先人の暮らしもそうだったようで 「日人は何にも置いていない」 江戸を訪れた他国人の驚きは知られた話。 お気に入りに囲まれたサッパリした暮らし。 そんな温かさを提案してくれる作り手や売り手に これからも恩返ししていきたいと思っている

    河童の日々遊山 最終日 -        猿板
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    fwss 2024/06/27
  • 仲夏の三辻山遊山 花虻 -        猿板

    「雲が透けてきた」 広場の開いた空に浮かぶ 低層雲は陽が上がると共に 薄くなり青空も見えてきた。 ◆杖塚のこと 午前中は大丈夫だな。 自然休養林の公園広場 いつも杖塚の広く開けた空で 雲と風向きで天気を見ている。 「イボタにハナアブ」 花に集まることからつけられた 花虻は形は蜜蜂に似ているが これはショクガバエ科。花虻 ◆峠に下る 「ゲコゲコ 言わんなった」 来た道を少し引き返し 古の杣道に入り峠に下った。 蛙になったか大雨で流されたか。。。 「北の風やね」 工石山を下った杣道が 降りた標高約1000mの峠で 雲に逆行する風と出会った。 「石鎚が雲を被った」 寒気が大気に潜り込んだか 午後を待たず不安定になるかもな。 ◆近道に入る 赤良木峠から 三辻山への近道に入った。 近道は三辻山北面に植えられた 杉檜の急斜面を登る作業道となる。 三辻山の北斜面にある植林は 日陰地になるが手入れはされて

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    fwss 2024/06/25