以前から、消費者という呼び名は変だなあ、と思っていました。英語の「Consumer」を翻訳したのでしょうが、お金という対価を払って、商品やサービスを消費する人。なんだか、むやみにお金を浪費しているというイメージが付きまといます。 確かにマーケティングの世界では、いまや消費者は王様。消費者が何を望んでいるか、どんな不満があるかを徹底的に洗い出し、彼らの欲求に応えることがマーケティングの役目と言われています。間違ってはいないでしょう。 でも待てよ、と頭のどこかが鳴り響いていました。消費を促すだけのマーケティングの時代は終わったのではないか?買ってもらおうとする魂胆がみえみえのマーケティングからは、人の気持ちは去っていくはず。いま消費者はそうそう財布のひもを緩めはしません。だから私には、お金を使っていただく消費者というとらえ方は、傲慢(ごうまん)にしか思えないのです。 もちろん、お金のあるところ