パレスチナ自治区ガザを巡るイスラエルとイスラム原理主義組織ハマスの戦闘発生から7日で5カ月。バイデン米政権など国際社会はイスラエルとパレスチナ国家の「2国家共存」に向けた和平プロセス再開を目指すが、イスラエルが持続的停戦を否定する中で実現性はあるのか。ユダヤ系米国人でガザ研究の第一人者の米ハーバード大中東研究センター上席研究員、サラ・ロイ氏は産経新聞に「イスラエルの目的はパレスチナ国家樹立の阻止」だと語り、障害となる占領体制の堅牢(けんろう)化を批判した。 「2国家」は、第3次中東戦争(1967年)でイスラエルが占領したヨルダン川西岸とガザなどに独立したパレスチナ国家建設を目指す構想。パレスチナ問題の解決策として国際的コンセンサスがあるが、イスラエルのネタニヤフ政権は明確に否定し、ハマス根絶のためだとしてガザ攻撃を継続している。 ロイ氏は、昨年10月7日のハマスによるイスラエル民間人攻撃は