【ニューデリー=武石英史郎】AP通信は10日、スリランカの反政府武装勢力「タミル・イーラム解放の虎(LTTE)」が多数の市民を「人間の盾」として立てこもる同国北部の地域に激しい砲撃があり、少なくとも市民257人が死亡したと報じた。現地のスリランカ人医師が電話取材に答えたとしている。 LTTEに近いウェブサイト「タミル・ネット」も同様の被害を伝え、砲撃は政府軍によるものだったと非難した。政府軍は先月末から重火器の使用を自粛すると表明、今回の砲撃も否定した。政府は戦闘地域周辺への報道関係者や国際援助関係者の立ち入りを禁じており、正確な情報の入手が難しくなっている。 かつて国土の約3分の1を支配下に置いたLTTEは、昨年から政府軍の激しい攻勢を受け、同国国防省によると現在、海岸沿いの約2.5平方キロの地域に立てこもっている。「人間の盾」のうち、すでに10万人以上が脱出したとされるが、国連はな