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ブックマーク / www.msz.co.jp (3)

  • チーズとうじ虫【新装版】 | 16世紀の一粉挽屋の世界像 | みすず書房

    1583年9月、イタリア東北部、当時はヴェネツィア共和国土属領のフリウリ地方において、ひとりの粉挽屋が教皇庁により告訴された。名をドメニコ・スカンデッラといい、人びとからはメノッキオと呼ばれていた。職業柄、白のチョッキ、白のマント、白麻の帽子をいつも身に着け、そして裁判の席にあらわれるのもこの白ずくめの服装だった。 「各人はその職業に従って働く。あるものは身体を動かし骨折って働き、あるものは馬鍬で耕す、そして私はといえば神を冒瀆するのが仕事だ」 「私が考え信じるところでは、すべてはカオスである、すなわち土、空気、水、火のすべてが渾然一体となったものである。この全体は次第に塊になっていった。ちょうど牛乳からチーズができるように。そしてチーズの塊からうじ虫が湧き出るように天使たちが出現したのだ」 かく語り、二度にわたる裁判を経て焚刑に処せられたメノッキオとは何者か。異端審問記録ほか埋もれた史

    チーズとうじ虫【新装版】 | 16世紀の一粉挽屋の世界像 | みすず書房
  • 高橋悠治『カフカノート』 | トピックス : みすず書房

    10月22日(土)、神楽坂から神保町に移ってきたスタジオ・イワトで、2冊の刊行を記念したトークイベントを開きました。お相手にお招きしたのは、保坂和志さん。それぞれの作品から、創作する意志の根底に通い合うものがあるのがわかる。ふたりのなかにはいつもカフカがいる、というわけで、「カフカ×高橋悠治×保坂和志 わたしたちの書きかた/つくりかた」のトークが実現したのでした。 高橋さんのピアノ伴奏と声楽家・波多野睦美さんによる「夜の時間」(作曲:高橋悠治、ことば:カール・クラウス)の演奏で始まったこの日。ことばが表すイメージをなぞるように言葉を選びながら問いかけあう2時間は、あっという間に流れていきました。そのごく一部をご紹介します。 保坂: (「文學界」の連載「カフカ式練習帳」のことを考え始めていた)2008年は、僕がはじめて高橋さんに直にお目にかかった時で。そのシューベルトのコンサートの時に、譜め

  • 國分功一郎『スピノザの方法』 | トピックス : みすず書房

    ◆著者からのメッセージ◆ ベルクソンはこんなことを言っています。哲学者の書物を何度も読み、その思想に慣れ親しんでいくと、何か単純なもの、あまりに単純で哲学者自身が言い当てられなかった何かに出会う、と(『哲学的直観』)。哲学者の書物は難解で抽象的な概念に覆われています。しかし、それはこの単純なものを表現するための手段であり、それに到達するためにこそ哲学者は抽象的な概念を駆使してものを書き続けるのです。この単純なもののことをベルクソンは「直観」と呼んでいます。 では、この直観はいかなるものでしょうか? ベルクソンはこう言います。哲学者人でも表現しきれなかったこの直観をわれわれ読者が表現できるはずがない。しかし、私たちにも捉えることができるものがある。それはこの直観と抽象概念との間にあるイメージである……。後にジル・ドゥルーズはこのイメージを「思考のイメージ」と呼び、いかなる哲学的理論もなんら

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