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ブックマーク / saebou.hatenablog.com (10)

  • 須藤にわかさんの私に対する反論記事が、映画史的に非常におかしい件について - Commentarius Saevus

    先日アップされた私が『ダーティハリー』を批評したこちらの太田出版のエントリについて、須藤にわかさんという方が反論をしていました。 ohtabookstand.com note.com 簡単に説明すると、須藤にわかさんは私がアメリカンニューシネマ(1960年代末から70年代頃のハリウッド映画の新しい潮流をざっくり指す言葉)について嘘ばかり言っているとおっしゃっておられます。須藤さんがアメリカンニューシネマがお好きなのはわかりますが、これはまったく歴史的な経緯をふまえていない議論です。むしろ須藤さんのエントリのほうが、現在の映画批評で言われていることに比べるとだいぶ違うので、アメリカンニューシネマあるいはNew Hollywood(上記記事で触れているように、これは日語と英語では微妙にズレた意味で使われることもあると思いますが)について大きな誤解を招く可能性があると思います。私は基的に、先

    須藤にわかさんの私に対する反論記事が、映画史的に非常におかしい件について - Commentarius Saevus
    gcyn
    gcyn 2024/08/25
    安心、安心…。
  • ヴィクトリア朝バーレスクを思わせるコメディ~King Arthur: A Legendary Comedy - Commentarius Saevus

    ブリストル・オールド・ヴィクでLe Navet BeteによるKing Arthur: A Legendary Comedyを見てきた。 www.youtube.com 男優3人だけでとっかえひっかえいろんな役をやりながらアーサー王伝説のコメディ版を…というお芝居である。キャメロットで暮らす3人の騎士志望の冴えない男たちがひょんなことからアーサー王の芝居をすることになり、なかなかうまくいかずに大奮闘…という作品だ。前半は芝居の準備をめぐるてんやわんや、後半は5つの伝説を上演する劇中劇である。 いきなり最初からクイーンの「ブレイク・フリー」にあわせて、さらし台にかけられた3人の男たちが踊り出し、ひとりは「ブレイク・フリー」にあわせて女装なのでまあいいのだが、最後のひとりは全身タイツで股間にピンクのもっこりをつけているという姿(しかも途中でもっこりを奪われてしまう!)である。まあこんな始まり方

    ヴィクトリア朝バーレスクを思わせるコメディ~King Arthur: A Legendary Comedy - Commentarius Saevus
    gcyn
    gcyn 2024/08/07
    『途中でもっこりを奪われてしまう!』 ???
  • 個人史とより大きな歴史の接続~『パラレル・マザーズ』 - Commentarius Saevus

    ペドロ・アルモドバルの新作『パラレル・マザーズ』を見てきた。 www.youtube.com 写真家のジャニス(ペネロペ・クルス)とまだ10代のアナ(ミレナ・スミット)は同じ日に病院で出産してシングルマザーとなる。ところがジャニスは病院で2人の赤ん坊が取り違えられていたらしいということに気づき始める。さらに、アナが育てていたほうの赤ん坊は突然死していた。そのことを知ったジャニスはアナに事実を言い出せないまま、自立を模索しているアナを住み込みの子守として雇い、互いに好意を抱くようになるが… ペネロペ・クルス主演のアルモドバル映画ということで、いつものお母さんもの人間ドラマかと思って見始めたのだが、実はこれはスペイン内戦についての映画である。最初にジャニスがスペイン内戦で亡くなった先祖の遺骨収集をしようとしているという話があり、中盤でも重要なところになるとこの遺骨収集の話が出てきて、最後は遺骨

    個人史とより大きな歴史の接続~『パラレル・マザーズ』 - Commentarius Saevus
    gcyn
    gcyn 2022/12/15
    『極めて個人的なトラブルと、スペインの政府と社会がスペイン内戦を忘却のうちに葬ろうとしているという大きな問題がどんどんリンクしていく作り』
  • ケアと癒やしの壮絶ノンストップアクション〜『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus

    『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を見た。なお、オリジナルのシリーズは一切未見である。 物語は文明が破壊された砂漠が舞台である。ヒロインのフュリオサ(シャーリーズ・セロン)は独裁者でカルトの指導者であるイモータン・ジョーに軍人として仕えてそこそこ出世していたが、これまでの贖罪のため、イモータン・ジョーのもとで性奴隷として子どもを生まされている5人の女性たちを助けて逃走することにする。それをこれまたイモータン・ジョーの手先につかまっていたマックス(トム・ハーディ)が成り行きのせいで助けることになる。一行は追っ手を振り切ってフュリオサの一族であった女たちが住むところまで逃げ、新天地を目指そうと考える…ものの、マックスの説得でこれ以上放浪するよりはイモータン・ジョーを倒して砦に安全に生きられる環境を作ることを目指すほうが良い賭けだと考え、最後の戦いにのぞむ。主人公が行って帰ってくるだけという

    ケアと癒やしの壮絶ノンストップアクション〜『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus
    gcyn
    gcyn 2021/09/20
    『とくにしばしば女性の属性とされるケアの力を男性も持ち合わせているものとしてかなり前に出しているところが興味深いと思う』
  • ダンスはとても綺麗だが、ロミオのぴっちりタイツが問題だと思う~バレエ映画『ロミオとジュリエット』 - Commentarius Saevus

    ロイヤル・バレエによるバレエ映画『ロミオとジュリエット』を見てきた。 www.youtube.com プロコフィエフの音楽にケネス・マクミランが振り付けたロイヤル・バレエの定番作品である『ロミオとジュリエット』を映画化したものなのだが、最近流行りの舞台を撮ってそのまま上映するものではなく、ハンガリーの野外時代劇スタジオなどでロケをして撮ったというもので、けっこう「映画」らしい映画である。音楽はずっとかかっているのだがバレエだけあってもちろん台詞はないので、ちょっとサイレント映画みたいである。 もちろんダンスは大変綺麗だし、演技も悪くない。パーティの場面などはなかなか壮観だ。ジュリエット役は最近『キャッツ』(未見だけど)に出ていたフランチェスカ・ヘイワード、ロミオ役はウィリアム・ブレイスウェルで、若々しく初々しい恋人同士を上手に表現している。パーティの最中にジュリエットがリュートを弾き、それ

    ダンスはとても綺麗だが、ロミオのぴっちりタイツが問題だと思う~バレエ映画『ロミオとジュリエット』 - Commentarius Saevus
    gcyn
    gcyn 2020/03/13
    尻尻しいという語彙を得ました…(笑)。(観たくなるよね…(笑)!!)
  • やっぱりいなかったのかもしれないね~『豊饒の海』における美しい空隙、東出昌大 - Commentarius Saevus

    紀伊國屋サザンシアターで『豊饒の海』を見てきた。三島由紀夫の大長編小説の舞台化で、長田育恵脚色、マックス・ウェブスター演出である。 『豊饒の海』は四世代にわたる輪廻転生を主題としており、『春の雪』『奔馬』『暁の寺』『天人五衰』の四巻からなっていて、多数の人物が登場する壮大な物語である。一部舞台がタイになるし、とにかく舞台化しやすい話ではないのでかなり心配していた…のだが、思ったよりずいぶんすっきりとした話になっていて感心した。四巻を時系列順にやるのではなく、前半は『春の雪』『奔馬』『天人五衰』が並行して展開し、後半になってやっと『暁の寺』が入ってきて、全体にたるくならないように配慮されている。かなりばっさり削っているのだが、とくに『奔馬』の中に組み込まれている大部な作品中作品である『神風連史記』(名前は出てくるのだが)の内容と、『暁の寺』のタイで展開する部分などが全部カットされている(芝居

    やっぱりいなかったのかもしれないね~『豊饒の海』における美しい空隙、東出昌大 - Commentarius Saevus
    gcyn
    gcyn 2020/01/24
    『ストレートプレイの抽象的な演出にダンスを持ち込むのは目も当てられない結果になることも多いのだが〜かなり考え抜かれた振付で役者を動かすというもので、大変うまくいっていると思った』
  • 献血ポスター問題について - Commentarius Saevus

    ここ3週間近く議論が続いている『宇崎ちゃんは遊びたい!』献血ポスターについて、このようなtogetterまとめが投稿されました。 togetter.com これは吉峯耕平弁護士が私と行った議論をまとめたセルフまとめです。セルフまとめで相手の議論について「saebou先生の反倫理的な「すごく高い倫理」」などという中立性に欠けるタイトルをつけるのはどうかと思いますが、あまりにも偏ったまとめであること、またこの話が始まって以来、全く私がしている話を見ずにデマに近い内容を流してくるツイッターアカウントや嫌がらせをしてくるツイッターアカウントが後を絶たないため、自分の意見をまとめてここに書いておこうと思います。 1. どうして私が献血にこだわっているのか 2.理念をどう広告に出すか 3. 作品の倫理的側面について議論するのは法律でも、規制でもない 4. 広告は他の芸術と違う 5. オタク文化だけ攻撃

    献血ポスター問題について - Commentarius Saevus
    gcyn
    gcyn 2019/11/12
    僕が散り散りに考えたり気を揉んだりしたことがまず全部書かれていながら100% saebouさんの言葉だという意味で、僕には共感点100点かも。こうひとまとまりで書けるのすごいな(ちなみに日赤の反応もこのセンでしたね)。
  • 捏造の天才、そしてそれは彼女の才能の限界~『ある女流作家の罪と罰』 - Commentarius Saevus

    機内で『ある女流作家の罪と罰』を見た。日では配信のみで劇場公開はなしらしい。実在の贋作者であるリー・イズラエルの犯罪を描いたものである。 www.youtube.com 舞台は90年代。リー(メリッサ・マッカーシー)は非常に対象の特徴をよくとらえた伝記の執筆で業績のある作家だが、近作はさっぱり売れず、狷介な人柄とアルコール依存症が原因で勤めていた雑誌もクビになり、困窮して人生が詰みそうになる。そこでひょんなことから、有名な作家などの手紙を偽造して古書店などに売ることを思いつき、贋作者として活動しはじめる。巧妙な文体模写技術を活用して作った手紙を売りさばき、儲けるリーだが、だんだん疑われるようになって… とにかく、リーがかなりとっつきにくくてだらしなく、人好きのしないヒロインだというのがポイントだ。掃除もできずに部屋は散らかり邦題、こだわりが強すぎて友達もいない。ところがとても奥行きがある

    捏造の天才、そしてそれは彼女の才能の限界~『ある女流作家の罪と罰』 - Commentarius Saevus
    gcyn
    gcyn 2019/11/03
    「伝統のある犯罪」(笑)!
  • スタントン(11)初めて劇場で「こんな白人ばかりのところで芝居を見たくない」と思った~Keene - Commentarius Saevus

    学会終了前日の夜、ブラックフライアーズ劇場でAnchuli Felicia Kingの新作Keeneのリーディング公演を見てきた。これは学会主催であるアメリカン・シェイクスピア・センターが行っているShakespreare's New Contemporariesという賞をとったものである。 3日間のシェイクスピア学会を舞台にした諷刺劇で、主人公は唯一アフリカアメリカ人であり、アイラ・オルドリッジについて博論を書いているタイラーと、ほとんど英語が話せない日人の女性音楽学者カイである。基的には白人ばかりのシェイクスピア界を諷刺したものだ。 …で、この作品なのだが、生まれて初めて舞台の劇場で「こんな白人ばかりのところで芝居を見たくない…」と思った。観客はだいたい白人で、アフリカ系とラティンクスが少々、アジア系はほんの数人で、日人はたぶん私ひとりだった。学会パートナーのメアリー・ボールド

    スタントン(11)初めて劇場で「こんな白人ばかりのところで芝居を見たくない」と思った~Keene - Commentarius Saevus
    gcyn
    gcyn 2019/11/01
    『白人ばかりの観客が笑いながら見ている中で、自分の戯画化みたいな人物を見るのはかなりつらかった』
  • 何度フラれても、ちゃんと自分で立ってる~『ロケットマン』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus

    『ロケットマン』を見た。言わずと知れたエルトン・ジョンの伝記映画である。 www.youtube.com 脚がリー・ホール、ジェイミー・ベルが出演していて、ミュージカル版『ビリー・エリオット』に音楽を提供したエルトン・ジョンの伝記映画ということで、かなり『ビリー・エリオット』に関連が深い作品だ。話の構造も似ており、芸術家としての才能を持っているがあまり良い環境で育ったとはいえない少年の物語である。とはいえ、伝記というにはかなりファンタジーの要素が入っており、ミュージカルでもあるし(エルトンの代表曲が人生の岐路にあわせて出てくる)、だいぶ脚色があると思われる。 お話は舞台衣装を着たままのエルトン(タロン・エジャトン)が依存症のミーティングにやって来て自分の半生を回想するという枠に入っている。エルトン(名はレジナルド・ドワイト)はあまり仲の良くない両親のもとで育ったが、幼い頃からピアノの才

    何度フラれても、ちゃんと自分で立ってる~『ロケットマン』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus
    gcyn
    gcyn 2019/09/14
    『『ボヘミアン・ラプソディ』に比べると、モノガマスな関係を礼賛するみたいなオチになっていない』
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