「日本酒の辛口」を考えるこの連載、これまでの二回の記事では、辛口という言葉が使われやすい背景として1980〜90年代の「淡麗辛口ブーム」が重要だったことに触れました。一方でこの連載を企画した筆者本人も含め、「淡麗辛口ブーム」を直接体験していない世代の飲み手も増えてきています。 淡麗辛口ブームの頃から現代に至るまで、「辛口」はどのように変わってきたのか?これからの「辛口」はどうなっていくのか? 日本酒を愛し続けて約30年、東京・大塚に地酒専門店「地酒屋こだま」を開店して約10年、異業種から参入し「モノ言う酒屋」として発信を行ってきた「たけさん」こと児玉 武也(こだま たけや)さんにお話を伺いました。 ーーまずは、たけさんが日本酒を飲み始めたころの「辛口」についてお聞きしたいのですが、その頃はやはり「淡麗辛口」のお酒が中心だったのでしょうか? 僕が日本酒を飲み始めたのは今から30年ぐらい前、1