年が明け2020年に突入。同時に2010年代という時代も終わりを迎えたリアルサウンド映画部では、この10年間のアニメーション映画を振り返るために、レギュラー執筆陣より、アニメ評論家の藤津亮太氏、映画ライターの杉本穂高氏、批評家・跡見学園女子大学文学部専任講師の渡邉大輔氏を迎えて、座談会を開催。10年代を代表するアニメーション作家をトピックに語り合ってもらった。 細田守や新海誠をはじめとするアニメーション監督に注目した前編に続き、後編では、「ポスト宮崎駿」をめぐる議論の変容や女性作家の躍進、SNSとアニメーションの関係性について語り合った。 ポストジブリという問題設定の時代 宮崎駿監督『風立ちぬ』 渡邉大輔(以下、渡邉):「ポストジブリ」「ポスト宮崎」という問題設定がいまでもしばしばなされますが、僕自身はこんな見立てを持っているんです。おそらくそれに関しては、2010年代の前半と後半で、アニ