■演出家と脚本家の対決 〈富野由悠季・辻真先〉対談(前半) 前回↑の続きです。 富野「1%は絶対譲れない部分を守らなければいけない」 辻 ガンダムの企画書って見てないんだけどどんな企画書? 富野 僕も企画書はよく知らない。(笑)ロボットものの体裁で合体シーンは必ず入れると、だけど話はこっちだよという説明をしたんです。 辻 テレビの場合、30分間だと一点豪華主義がいいんです。あれもこれもってのはかえってダメなんです。他のことは99%まで妥協しても、残る1%、これをはずされたらオレ降りるよというところがないとダメですね。 富野 今まででいうと、その1%は演出者の我の部分になっちゃうんです。そうじゃなくてその作品を成立させていくための1%でなければならないんです。 辻 それを第三者に納得させるためには先のほうまで見えてないとね、感情論になっちゃいますから。 富野 そういう意味で、辻さんの書き方に