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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp (88)

  • 中間選挙「共和党勝利」で、アメリカは右傾化するのか

    アメリカで4日に実施される中間選挙で、仮に上下両院ともに共和党が過半数を占めたと仮定した場合、アメリカにはどんな変化が起こると予想できるのでしょうか? 法的に言えば、オバマは大統領として2017年1月まで任期を残しているわけですから、その間は議会がどんな法案を通しても「拒否権」を使って阻止することはできます。また大統領令を出して簡単な制度改正を行うことも可能です。 ですが、下院の多数を共和党に握られた改選前の「ねじれ議会」でも、オバマは政局運営に苦労していたわけですから、仮に上院も取られてしまうとなると、もっと自分の政策を通していくのは難しくなります。上下両院を共和党が支配すれば、共和党の影響力が増すことは間違いありません。 その場合、アメリカはどんな方向へ向かうのでしょうか? 一般的に民主党はリベラルで、共和党は保守だというイメージが確立しています。では、アメリカは右傾化するのでしょうか

    中間選挙「共和党勝利」で、アメリカは右傾化するのか
  • 中高生の「男女別学」にはメリットがあるのか?

    静岡県の川勝平太知事は7月に行われた県議会の一般質問で、一般論として「15~16歳から20歳前後までの時期に女性の方が早く成熟するという生理学的、生物学的な現実がある。実際上、学校の成績などに表れる」と主張。その上で、静岡県が発足させる人口減少問題を考える有識者会議から「ひょっとすると思春期の男女共学は一度やめてみては」との検証結果が出る可能性があると指摘したそうです。 同知事は、別学になった場合、「大学で一緒になればお互いの尊敬やあこがれという念が深まるということもあろうかと存じます」と述べたそうです。知事に言わせれば、最近の思春期の女子は「生理学的に男性より早く成熟する。同年齢の男の子より自分の方が成績が高いわけだから、男の子を尊敬するというふうなことがなかなかできにくい」というのです。要するに「男の子の思春期に幼くて格好悪い姿を見せると、女の子は男性一般に幻滅してしまう」ので、少子化

    中高生の「男女別学」にはメリットがあるのか?
  • 日本経済の競争力回復のために「労働時間規制」は強化するべき

    第一次安倍内閣の際に廃案になった「ホワイトカラー・エグゼンプション」が、今度は「残業手当ゼロ化」とでも言うべき拡大案として、再び検討されているようです。今回は、管理職一歩手前の年収1000万円超クラスに加えて、労使協定を行えば全社員にも適用可(その場合は時間の上限規制はあり)というものです。 この法案に関しては、過労死推進であるとか、日経済の総ブラック化といった言い方で批判がされているようですが、私はそのような批判では足りないと思います。現在の日社会で労働時間規制を緩和するということは論外であり、反対に徹底的に強化するべきです。そうではないと、日経済の衰退を加速する、そのぐらいの問題であると思います。 中には、当面は「高すぎる人件費の削減」の一環として「残業手当の廃止」を行うのは「企業の生産性向上と国際競争力回復」のためには仕方がない、それが日経済を延命させる唯一の現実的判断だ、と

    日本経済の競争力回復のために「労働時間規制」は強化するべき
  • 「夢のエネルギー」核融合は実現目前?

    どこにでもある水に含まれる水素からエネルギーを取り出す「核融合発電」は、世界各地の研究者たちが長年追い求めてきた夢の技術だ。世界のエネルギー市場、ひいては経済に大きな影響を及ぼすはずのこの技術の開発に、かなり近いところまで来ていると専門家は言う。 水素燃料を詰め込んだごく小さなカプセルに超強力なレーザーを照射し、超高温で原子核と電子がバラバラに飛び交う「プラズマ」を発生させる。こうして太陽など恒星の中心で起きているのと同じような状態──つまり、核融合を引き起こし、膨大なエネルギーを取り出そうというわけだ。うまくいけば1トン前後の水でサンフランシスコくらいの都市が1年間に消費する電力を生み出せるという。 米ローレンス・リバモア国立研究所(カリフォルニア州)の国立点火施設(NIF)では、プラスチックまたは高密度炭素で作られた直径2ミリほどの燃料ペレット(燃料球)が入った小さな容器(鉛筆に付いた

  • 日本の治安が最高なのは共同体パワーのおかげ

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔12月26日号掲載〕 私の知る限り、大都市なのに安全な街は東京だけだ。東京にいるときは昼も夜も安心し切っている。04年に今の家に引っ越したが、引っ越し早々に家の鍵をなくしたので鍵は掛けず、ノックすらせずに出入りしている。スクーターを駐車してその場から離れるときもヘルメットはシートに置いたままだ。「泥棒が怖くないのか?」と聞くフランス人の友人には、私のヘルメットを盗むほど切羽詰まっている日人がいたら、同じ人間としてヘルメットくらいくれてやるさと答えた。自転車にも鍵を掛けない。それでも無くならないのだから当にうれしくなる。 私は今では3人の子供の父親だ。フランスより麻薬がはるかに手に入りにくく、子供たちが盗まれる側にも盗む側にもなる心配が少ない国に暮らせて幸せだと、毎朝しみじみ思う。 オレオレ詐欺のような犯罪はあるが、フランスに比べればまだましだ。フ

  • NY地下鉄で死ぬ直前の男の写真が撮られたとき、他の乗客は何をしていたか

    ニューヨークのタブロイド紙『ニューヨークポスト』が火曜、前日に地下鉄駅で起きた事故を報じた。いや、正確には事故になる瞬間を報じたと言った方が正しいだろう。 乗客同士の言い争いで50代の男性がホームから突き飛ばされ、そこに入ってきた電車に挟まれて死亡した。ニューヨークポストが1面で大きく掲載した写真は、ホームに手をかけ数メートル先に迫った電車のほうを振り返った男性の姿を捉えている。タイトルは、「万事休す、線路に突き落とされた男が死に行く瞬間」。 この事件は、いくつもの意味でいたたまれない気持ちにさせる。 まずジャーナリズムの観点から、こんな写真を載せる必要があったのかという点。数秒後に死のうとしている人間の姿を晒すことに、センセーショナリズムを煽る以外の意味があるのか。 もし事故の様子を伝えることが目的だったのならば、文章で説明し、写真は意図的に掲載しないという選択肢もあっただろう。だが同紙

  • 国連報告「地球は既に限界点」

    地球の気候変動が臨界点に近づいていると、国連が最新の報告書で警告した。 約600人の専門家が携わり3年をかけてまとめらた報告書は525ページに及ぶ。専門家らは地球の未来について極めて暗い見通しを示した。北極などの氷床の融解、アフリカの砂漠化、熱帯雨林の森林破壊が、私たちが想像しているよりはるかに急速に進行していると指摘した。 歴史的に見れば、氷河期など地球に突然大きな気候変動が訪れたことはある。だが専門家らは今回の気候変動は自然要因のものではなく、人為的な要因によるとみている。人間活動に伴う温暖化ガスの排出などが変動を加速し、影響は地球の生態系の破壊にまで及んでいるという。 ネイチャー誌に掲載された報告書の要約にはこう書かれている。「人為的要因により、気候変動が限界点に迫っている、または既に限界点を越えてしまった地域がいくつもある。一度限界点を越えると、もう元には戻せない変化が起こリ始め、

  • アメリカ人「資本主義はもうたくさん」

    冬の時代 長引く不況が貧困層の資主義への不信感を助長している(ニュージャージー州の求職者) Mike Segar-Reuters 世界で最高の経済システムは「自由市場」なのか? これはカナダ・トロントを拠点とする調査会社グローブスキャンが02年から毎年行っている世論調査の質問だ。調査の対象は現在、23カ国にまで拡大している。 調査を開始した頃は、大半のアメリカ人は口をそろえてこう言ったものだ。「当たり前じゃないか。なんでわざわざそんなことを聞く」 実際、02年の調査ではアメリカ人の80%が、資主義と自由市場は世界に繁栄をもたらすのに最も望ましい経済システムだと答えた。この割合は調査対象国の中で、最も高い数値だった。 しかし、それから10年の間に何が起こったのか。収入格差は広がり続け、大企業やウォール街を舞台としたスキャンダルが繰り返され、失業率は10%を超え、米経済は大恐慌以来で最も暗