ウォール街は一度として、ロンドンのシティー(英金融街)ほど国際的な金融センターではなかったかもしれない。外国銀行はそれなりに熱心だったが、かねて米国の競合銀行が利益の大半を獲得してきた。 そして今、多くの銀行幹部は、ウォール街が米銀限定のクラブになりつつあると考えている。 ユーロ圏の危機という足かせと、スイス、英国における規制強化は、JPモルガンやバンクオブアメリカ・メリルリンチ(バンカメ)、ゴールドマン・サックスなどの米国最大級の投資銀行が、欧州の弱った挑戦者からビジネスを奪うチャンスに舌なめずりしていることを意味している。 「危機が起きる前は、ドイツ銀行とUBSがもう少しでトップクラスに入るところだった」。米銀のある経営幹部はこう話す。「だが、欧州の銀行が本当に一流になったというのは誤解だ。しかもこの数年間で、米銀は従来以上に優位に立った」 欧州でも、こうした見方に同意する人がいる。か