バングラデシュへ逃れた後、ベンガル湾の島に船で移送されるロヒンギャ難民。ミャンマー国軍によるクーデターで問題の解決はさらに遠のいた=2020年12月、ロイター ミャンマーで国軍に抵抗する民主派で作る「国家統一政府(NUG)」が、少数派イスラム教徒「ロヒンギャ」に市民権を与える方針を示している。「不法移民」という従来の主張を繰り返す国軍との違いを鮮明にし、人権を重視する欧米などを引きつける狙いとみられる。だが、人口の約9割を仏教徒が占めるミャンマーでは、ロヒンギャに対する強い差別感情があり、NUGの方針に反発する人もいる。 ミャンマーには130以上の少数民族がいるとされるが、ミャンマー側で推定100万人が暮らしていたロヒンギャは、固有の民族集団ではなくバングラデシュ側からの「不法移民」とみなされている。1982年にミャンマー国籍を剥奪され、大半が無国籍者となった。