古代エジプトでは、ネコのミイラがささげものとして広く用いられた。(PHOTOGRAPH BY RICHARD BARNES, NATIONAL GEOGRAPHIC) 近い将来、古代エジプトの謎の解明が大きく進むかもしれない。新しいCTスキャンの画像技術を使えば、巻かれた布を外さなくても、ミイラの内部を詳しく観察できるようになるためだ。 南オーストラリア博物館に所蔵されているネコのミイラを使った新しいCTスキャンのテストが成功した。ミイラの正確な年代は不明だが、エジプトでは紀元前600年から西暦250年頃まで、ネコのミイラがよくつくられていた。(参考記事:「動物のミイラの“ヘ~!?”な真実」) 従来のCTスキャンは検査対象にさまざまな角度から1種類のX線を照射し、撮影した画像を合成することで、内部のデジタル画像を得る。筋肉と骨は、密度の違いによって区別する。しかしミイラの場合、時間とともに