例えば介護業界の場合、1年以内の離職率がじつに17%にも及び、業種そのものがブラックと見なされて人手不足が深刻化しているが、人材紹介会社幹部は実情を次のように説明する。 「離職率が17%を下回っていれば業界平均以下だから問題視するほどではない、と軽く考えている介護事業者が多い。雇用に関しては『この業界はこんなものだ』と思考停止状態に陥っているところも少なくない」 また、介護業界関係者によると「年間離職率が20%を超える事業所と、数は少ないが5%程度の事業所に二極分化している」という。労務環境を整備している介護事業者にとっては、同業のブラック事業者の存在によって業種自体がブラック視されている現実は迷惑千万だろう。 「ひとつの業種にブラック企業が数多く存在する限り、健全な経営で収益を上げている企業も、社員を使い潰して収益を上げている企業と同一視されかねない。経団連など経済界には、積極的にブラッ