インターネット発祥の地、米国を凌駕する巨大市場の台頭。それは、世の中を変える新たなイノベーションが将来中国から起きる可能性を示唆する。 米グーグル、アマゾン・ドット・コムなどに草創期に投資したことで知られるシリコンバレーの名門ベンチャーキャピタル、クライナー・パーキンス・コーフィールド・アンド・バイヤーズ(KPCB)は今春、初の海外拠点を中国に設立。同社を率いるジョン・ドーア氏は「中国はあらゆる市場の母になる」と、中国発のイノベーションに大きな期待を示した。 兆しは既にある。中国の市場開拓で先行していた米国勢を後発の中国企業が抜き去る“事件”が相次いでいるのだ。その象徴が検索エンジンの「百度(バイドゥ)」とネット競売の「淘宝(タオバオ)」である。 2000年創業の百度は、中国語の検索精度の高さや音楽ファイル検索サービスなどで人気を集め、2004年にグーグルを抜いて中国トップに立った。昨年1