参院選を前に、組織内の政治的な対立に注目が集まる連合。連合に合流した総評系の労働組合と関係が深く、連合の歴史に詳しい日本女子大名誉教授の高木郁朗さん(83)=労働関係論=は「連合は政党との関係に深入りすべきではない」と語り、分断を危惧する。 ――昨秋、連合の会長に芳野友子氏が選出された時、どんな印象を抱きましたか。 ◆期待がありました。初の女性、初の中小企業を中心とした産業別組合の出身です。事務局長に選ばれた清水秀行氏も、初の官公労系。これまで大企業の労働組合が中心だった連合に、いっぷう違った存在感をもたらせると思いました。地域共闘、中小共闘、ジェンダー共闘といった弱い立場の労働者の連帯を作り出す可能性を感じました。ところが、まだ期待した方向には行っていません。これまでの大企業中心の視点から抜け出せていません。 ――2019年の連合の調査によると、組合員の支持政党は割れています。20・8%