まず、『週刊東洋経済』(5月21日号)は、「緊急リポート 円安は止まらない」と題する4本の記事からなる小特集を作っている。 同特集では「政府日銀はお手上げ状態だ」「日銀は円安の進行を傍観しており、判断先送りが最悪の事態を招く」「日本の経済成長力(稼ぐ力)の相対的劣勢を是正しない限り、円安傾向は変わらないだろう」「ゼロコロナ政策による中国の停滞のせいで日本は円安局面を生かせない」、などと論じている。 同社のライバル誌であろう『週刊ダイヤモンド』(5月21日号)も「日本の『国力』低下危機 円安の善と悪」というタイトルで大特集を組んでいる。特集の冒頭に「泥沼の円安スパイラル」と題する要約ページを載せていることからもわかるように、円安に対する悲観論が圧倒的に優勢だ。 官庁情報に強い金融業界誌『週刊金融財政事情』もコラム「新聞の盲点」で、「悪い円安」を前提に、「日銀がはまった金融政策の罠」というタイ