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ブックマーク / takekuma.cocolog-nifty.com (9)

  • 電子出版ははたして儲かるのか?(1): たけくまメモ

    結論から書けば、今後よほどのことがない限りは儲からないと思います。「トントンにする」だけなら、不可能ではないと考えますが、投下資金と回収のバランスを取るまでには、しばらく時間がかかるでしょう。しかしそれでも、出版界は、電子出版に活路を見いだすしかないというのが俺の考えです。 電子出版といえば、今、俺の周囲では多くの会社や個人作家が参入機会をうかがっていますが、そちらのほうが儲かるから、参入したがっているというわけでもないようです。「紙の」はジリ貧の一途なので、このまま座して死を待つくらいなら、いっそ電子出版に進出して、儲かるかどうかは後で考えたい、というのが実情に近いのではないでしょうか。溺れる者藁をもつかむ、です。 「紙マンガ」の現状はいよいよすごいことになっております。多くのマンガ雑誌は、かりに単行がそこそこ出ていても、雑誌の赤字が単行の利益を大幅に上回っているという状態がもう数

  • それでも出版社が「生き残る」としたら: たけくまメモ

    http://www.apple.com/jp/ipad/ ↑appleiPad」公式 ついに噂のiPadの全貌が公開されて、ネットもマスコミも上を下への大騒ぎであります。ここに来て、すでに報道されているアマゾンのKindleをはじめ「電子出版」を普及させるための役者(インフラとデバイス)が出揃った感があります。日ではまだ普及以前の段階ですが、昨今の出版不況を脱出するための突破口は、もはや電子出版しかないというのは、衆目の一致するところではないでしょうか。 さて、かねてから電子出版による「個人出版支援」に力を入れているアマゾンやアップル、ソニー(の米国法人)といった企業は、自社と出版契約を結んだ著者に対して、「印税35%を支払うぞ、いやうちは50%支払う、それならうちは70%だ」という具合に、「印税率競争」をヒートアップさせて著者を引き込もうとしています。日では印税率は通常8~10%

    goldhead
    goldhead 2010/01/30
    「編集」というものの価値が電子化の中で見落とされていくとすれば、それは大きなマイナスであると思う。企画、立案から校閲、校正といったレベルにいたるまで。
  • 就職しないで生きるには: たけくまメモ

    ↑就職しないで生きるには(上の図版は旧版。現在刊行中の表紙は色が違っているが中身は同じ) レイモンド・マンゴーの『就職しないで生きるには』は、1979年にアメリカで初版が出版され、81年に晶文社から日語版が刊行されました。今なお現役で刊行されている大ロングセラーであります。 俺は最初の邦訳刊行時に読んだんですが、81年といえば、俺が20歳から21歳にかけての年であります。まだ20歳だったこの年の春、俺は学校を中退して、家出したのでした。それからしばらくはホームレス状態が続き(最初の半年は物のホームレス。野宿こそしなかったが友達のアパートを転々としていた)、お先真っ暗な状況だったのですけど、そういう時に、屋でこのを目にしたのでした。俺の心情そのままのタイトルは、衝撃的でした。 書を一言で説明するなら、「ドロップアウトした人のための“起業のすすめ”」であります。ドロップアウトを直訳す

    goldhead
    goldhead 2009/09/10
    俺は俺を、たぶん遅れすぎたヒッピーワナビーなんだろうと思う。
  • 竹熊君、“紙”はもう、ダメだよ…(後編): たけくまメモ

    これから紹介する話は、ごく最近、知人のA君と俺が交わした会話をまとめたものです。登場する人物名はすべてアルファベット表記(イニシャルとは限りません)ないしは記号表記にし、意図的にぼかしている記述がありますが、話の大意はこの通りで、特に金額の数字についてはA君の発言のままにしてあります。 A君は俺と同世代ですが、学生時代にライターデビューし、現在は小さい編集プロダクションの営業と経営に徹しています。社員は社長であるA君と、奥さんのみ。しかし、最近まで常時3~40人のライター・エディター・デザイナー(すべてフリー)を抱えていて、A君が営業をかけて出版社からもらってきたムックや単行仕事を、その都度自分の抱えるフリーから4~5人選んでチームを組んで、丸々一冊を1~3ヶ月かけて編集・制作していました。こうした請負仕事(その中にはA君の企画もあります)を彼の会社では常時、8~10冊は抱えていたので

    goldhead
    goldhead 2009/09/01
    予算のこともあるけど、版元も本作り知らないやつばかりになったと、編集者やめちゃった人を知っている。色んな意味で貧相なことになってきていると思う。
  • 『ヤッターマン』には困った: たけくまメモ

    三池崇史監督の実写版『ヤッターマン』を見てきました。見たら、感想を書こうと思っていたのですが、正直、困りました。 http://www.yatterman-movie.com/ ↑実写版『ヤッターマン』公式サイト 三池崇史は好きな監督です。俺と同い歳ですが、年に5~6は監督すると言われる通り、すでに膨大な作品があって、すべてを見たわけではありませんが『極道恐怖大劇場・牛頭』は映画史に残る傑作だと俺は思いました。 アウトローを主人公にしたハードボイルドな娯楽作品が多いですが、ノリが良すぎる演出で暴走することが持ち味で、ひとたび暴走するとあり得ない超現実的な領域にまで突っ走るので、カルトなファンも獲得している監督です。時に「やりすぎ」と思えるサービス過剰な演出が、マンガ的だったりアニメ的だったりするので、『ヤッターマン』のオファーも来たのでしょう。 三池監督はかつて『ゼブラーマン』という「ヒ

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    goldhead 2009/03/13
    ヤッターマンこまったー!……って、何で誰も言わねえの?
  • 祝・『北国の帝王』初DVD化!: たけくまメモ

    ←北国の帝王 [DVD] 今日、町田のヨドバシでDVD売り場に行ったら、『北国の帝王』(ロバート・アルドリッチ監督、1973年)のDVDが新盤コーナーに並べてあり、雷に打たれたごとくに衝動買いしました。この映画、俺が48年の人生で見た中で、一番面白かった映画です。もちろん感動したとか感心した映画ならたくさんあるんですが、問答無用で面白かった映画を一選べと言われたら、迷わずこれにします。 高校時代にテレビの洋画劇場で出会って以来、ビデオやLDが出るたびに即買いしまして、何度見返したかわかりません。ところが、DVDがなかなか出なかったんですよ。洋盤も探したんですが、アメリカのアマゾンを検索してもありませんでした。 最近ではすっかり諦めてしまって、半年くらいDVDの新盤チェックを怠っていました。そしたらちゃっかり出てやがんの。ヨドバシで発見した瞬間に心の中で悲鳴をあげてしまいましたよ。油断も隙

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    goldhead 2009/03/10
    深夜放送で中途半端に二度見たことがある。やっぱり、おっさん同士が無賃乗車をめぐって戦うだけの映画だったんだ……。
  • 『バクマン。』のネーム原作について: たけくまメモ

    おとといの『バクマン。』の感想で、ひとつ書き忘れたことがあります。それは、主人公のサイコーが、相棒で原作志望のシュージンに向かって 「シュージンの書いたネームが面白いんだったら俺が絵にする」 と、マンガ家の立場から原作者に「ネーム」を求めるセリフが出てくることです。俺は、ここに時代の流れを強く実感しました。 今でこそ、「少年ジャンプ」を始め、多くのマンガ誌の新人賞に「ネーム原作部門」が設けられていて、ある意味では定着しつつある感もあるのですけれど、俺のようなロートルの業界人からすると、じつに隔世の感があります。 俺が「マンガ原作」を一番やっていた90年代中頃くらいまでは、「原作者がネームまでやる」例は滅多になく、仮にそういう志向を持った原作者がいたとしても、マンガ家や編集者に向かって「ネームをやらせてくれ」と言い出すのは、非常に気が引けるというか、一種のタブーというべきことでした。 なぜそ

    goldhead
    goldhead 2009/01/08
    ネーム原作に対する意識の変化と、それによる可能性。
  • オンライン(無料)マンガ誌、花盛り: たけくまメモ

    「マンガ雑誌に『元をとる』という発想はない」の続きであります。前回俺は、「マンガ誌単体では最初から大赤字で、版元も折り込み済み」であること、「雑誌は大赤字でも、単行が売れるので、版元も作者も、そこではじめて利益になること」を書きました。ここから導き出される「マンガ雑誌の目的」とは、 (1)単行を出すための、原稿プール機能 (2)単行が出たときの、作品の宣伝機能 のふたつあることがわかります。これは版元・作者ともに共通のメリットでしょう。実はこれ以外の大きな目的として、 (3)新人の発掘と育成 があるのですが、これはとても大きなテーマですので、今回は項目を挙げておくにとどめます。今回俺が考えてみたいのは、これまで機能していた、こうした雑誌のあり方に亀裂が生じてきたこと(要するに雑誌ばかりでなく単行も売れなくなった)で、今後のマンガ雑誌とマンガ界(出版界)はどうなっていくのかということ

    goldhead
    goldhead 2008/11/24
    製紙印刷業界死ぬ。/新聞社など苦労しているが、あとはパッケージング、課金あたりだろか。
  • たけくまメモ : マンガ界崩壊を止めるためには(5)

    ●樹林伸vs長崎尚志対談 ←KINO VOL.7 (7) 前回の「マンガ界崩壊を止めるためには(4)」において、俺は「日型マンガ・エージェント」のありかたとして「マンガ・プロデューサー」を挙げ、現実に講談社を独立した樹林伸氏や、小学館を独立した長崎尚志氏のようなベテラン編集者が、「原作者」という名目でフリー活動を始めていることを紹介しました(長崎氏は浦沢直樹氏の『PLUTO』では「プロデューサー」としてクレジットされています)。 実は俺が今年から講義を始めた京都精華大学では、「KINO」というマンガ評論誌を発行しているんですが、今発売中の第7号で「21世紀のマンガ コミック雑誌の消滅する日」という刺激的なタイトルの特集が組まれており、巻頭でまさに樹林伸氏と長崎尚志氏の対談記事がカラーで掲載されています。 この特集には、俺と「マンガ産業論」の中野晴行氏との対談も載っているんですが、この仕

    goldhead
    goldhead 2008/06/25
    マンガの長期連載化問題「いつまで経っても主人公が試合していて、ほとんどそれだけで40巻も50巻も単行本が出続けるという現状は、狂っています。」
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