エドワード・ヤンこと楊徳昌が亡くなった。6月29日のことだ。第一報は香港からの外電が伝えた。ロサンゼルスのビバリーヒルズの自宅で結腸癌により死去、59歳だった。この知らせに心を痛めた台湾の映画ファンが一体どのくらいいるのだろうか。 エドワード・ヤン死去のニュースが台湾でどのように伝えられたか──これについては率直に言って深く失望を覚える。台湾人にとってエドワード・ヤンは国際的な評価を得た映画監督として誇らしいが、誰も彼のことをほんとうには知らなかったのだ。死亡記事はいつどこで亡くなったのか、学歴や監督作品・受賞歴の羅列、国際的な評価。エドワード・ヤンが2005年国内メディアに答えた最後のインタビュー、高校の同級生でもある呉念真が語った学生時代の逸話、再掲。再放送を繰り返すニュースには元妻が何度も登場して涙を流す。 唯一、最後まで連絡を取り合っていたという瑠璃工房(ガラスアート工房)の創業者