DNAを単にデータ保存装置と考えるなら、それが保存するデータは、生物情報です。ヒトでいえば30億の文字があり、2万個の遺伝子をもっています。古遺伝学とは、はるか昔に死んだ生物のDNAを研究する学問です。この技術が開発されたのはここ10年ほどで、本格的な研究はまだ5年ほどという新しい分野です。 興味深いことに、DNAはデジタルディスクやテープなどよりもはるかに安定しています。条件さえ整えば、DNAはヒトや有機体の骨の中に数十万年も留まることが出来ます。それを取り出せるようになって、数十万年前に死んだ生物のゲノムを研究することも可能になりました。(参考記事:「ゲノム編集でヒト受精卵を修復、米初、将来性は?」) 最初の転機は、2009年に訪れました。ネアンデルタール人の骨からDNAを抽出することに成功したのです。こうして私たちとは別の人類の全ゲノム配列が決定され、古生物学者の長年の謎が解明されま
今回の研究で分析対象となった歯と同じように、写真のネアンデルタール人の歯にも、持ち主の生活や癖が刻み込まれている。(PHOTOGRAPH BY IRA BLOCK) ターニャ・スミス氏は、まるで本を読むように歯を読む。 歯を構成する各層には、食べものから病気まで、さまざまな情報が刻まれている。オーストラリア、グリフィス大学の自然人類学者であるスミス氏は、15年以上をかけて歯の化学的性質と物理的構造を調べてきた。しかし、環境が変化したときに、それらがどうなるのかについては、長いこと取り組んでこなかった。 「人類の起源を研究している人々は、かなり前から、気候変動や気象が不安定になった期間が人類の進化に重要な役割を果たしていると考えています」とスミス氏は言う。しかし、氷床コアや花粉の記録など、当時の気候を知る手立てからは、個体にどんな影響があったかを検討するほど短期間の変動はわからない。 今、そ
政府の会合としては異例の結末だった。政府の知的財産戦略本部が2018年6月から10月15日まで9回にわたり開催したタスクフォース「インターネット上の海賊版対策に関する検討会議」は、委員間の対立が激化した結果、予定していた中間とりまとめを断念した。
「今日の議論をどう扱うかはこちらで引き取る」――。 政府の会合としては異例の結末だった。知的財産戦略本部が2018年6月22日から10月15日まで9回にわたり開催したタスクフォース「インターネット上の海賊版対策に関する検討会議」は、委員間の対立が激化した結果、予定していた中間とりまとめを断念した。冒頭のコメントは、慶応大学大学院メディアデザイン研究科教授で共同座長を務める中村伊知哉氏の言葉である。 裁判所の判断の下、悪質な海賊版サイトへのアクセスを民間ISP(インターネット接続サービス事業者)が強制遮断する「サイトブロッキング」の法制度を整備するか否かを巡り、「憲法の『通信の秘密』に抵触し、現時点で違憲の疑いがある」として法制化の棚上げを訴える9人の委員と、「推進」「棚上げ」の両論併記を認める他の委員との溝が埋まらず、「座長預かり」で散会になったのだ。 とはいえ、ブロッキング法制化の流れが
いずれにしても、海外で危機に陥った邦人の救援は(たとえ事件原因が「自己責任」的なものであっても)日本国の義務として当然に課されているものであり、外務省の正当な業務なので、そこで使われる税金は「無駄使い」とは言えない。 そもそも私たちの祖国・日本国は、開催が義務でもない東京オリンピックの関連事業に数兆円をぶちこみ、さらにクールジャパン事業に数百億円を使うほど気前良く税金を消費する国ではなかったか。自国民保護はこれらよりもずっと本質的な国家の仕事なのだから、その業務遂行にあたり相応のコストが投入されるのは当然のことだろう。 カッコ悪かったことはあるが 最後に安田氏の解放それ自体についての答え合わせをしておけば、今回の解放にはカタール政府の働きかけが大きかったとされている。 17年にサウジアラビアやUAE・エジプトなどから国交を断絶されたカタールは、現在はトルコに接近。最近の中東ではトルコ・カタ
安田純平氏の記事の中身 次に安田氏の具体的な記事を見ていこう。安田氏の寄稿先は、はっきり言って左派やリベラル系の媒体が多い。主著の『ルポ 戦場出稼ぎ労働者』を出した集英社新書も、比較的、左派系のラインナップが多い新書レーベルだ。だが、媒体の政治的なポジションはさておき、実際の安田氏の原稿は例えば下記のような感じである。 “アクードさんもシーア派だが、フセインを強く支持していたようだ。「サダムが大勢のイラク人を殺したと米国は言うが、どこからか死体を運んできて、サダムが殺した、と写真を撮っているだけだ。遺族を名乗る人にも金を与えて泣かせ、撮影しているのだ」という主張は妄信的にも聞こえる。(略)” “なぜ彼らがそこまでフセインを支持するのかは判然としなかったが、米軍への憎しみが募れば募るほど、こうした感情が膨らんでいく面はあるだろう。しかし、こうした感情が高まるほど、米軍は疑いを持ち、抑えつけよ
「拘束されすぎ」という批判に思うコト また、ネットでは安田氏について「何度も拘束されすぎている」と書かれる例もある。これらを受けてか、保守系識者の間では嘉悦大教授の高橋洋一氏が「プロとしての準備の不足」、政治アナリストの渡瀬裕哉氏が「能力不足のジャーナリスト」、自民党の馳浩・衆院議員(自民党)が元大阪市長の橋下徹氏のネットテレビ番組内(Abema TV「NewsBAR橋下」10月25日放送分)で「生きていてくれて嬉しいが、3回も行ってるんだからバカの上塗りと一緒、と思う」などと断じている。 だが、調べてみると安田氏が現地で武装勢力に拘束されて消息を断った例は、04年のイラクでの数日間と、今回のシリアの2件だけだ。 彼が他に被ったとされる数回の「拘束」は、イラク軍や地元の警察によるものである(しかもキャリア最初期の03年に集中している)。官憲による外国人の拘束は、拘束の長期化や身代金の要求、
「知る権利」を言うばかりではなく 最近、私はどうも心がザワザワしている。理由はまこと理不尽だ。複数のニュースアプリの通知で、下記のような文章が何度もスマホに送られてくるからである。 さらにツイッターを開くと、この「安田」氏は「ジャーナリスト失格」だの「ウソツキ」だのと散々な言われぶりである。私はたまたま彼と同姓の同業者であるせいで、今回の安田氏の解放にあたり、彼の親族を除けば日本で最もビビっている安田となっている。 念のために確認すれば、私は中国ルポライターの安田峰俊(36)であり、昨今話題のフリージャーナリストの安田純平氏(44)とは面識も血縁関係もない(少なくとも「ひいひいじいさん」以降の縁者でないことは100%確実だ)。 また、同業者とはいえ、イスラム圏でのハードな戦場ジャーナリズムに身を浸す安田氏と、B級ネタも含めた中国関連記事を得意とする私に業務上の接点はない。後述する寄稿媒体を
『トツゲキ! 早稲田祭スペシャルコラム』第四弾は、早稲田祭中止の謎! 今年で15周年を迎える早稲田祭。長い歴史と伝統をもつ早稲田大学の学園祭ということを考えると、早稲田祭が始まってまだ15年しか経っていないというのは少し不可解である。実は、早稲田祭というのは一度、廃止された過去があるのだ。それにはどうやら、日本史でもおなじみのあの出来事も関わっているようで……。そこで、事の真相を確かめるべく、早稲田祭2016運営スタッフの歴史認識プロジェクトの統括、茂垣貴之さんにお話をうかがった。 ――昔、一度早稲田祭が廃止された過去があると聞いたのですが、どういった理由で廃止になったのですか? 「僕たちの前に早稲田祭を運営していたのは「早稲田祭実行委員会」という組織でした。しかし、その早稲田祭実行委員会は革マル派という共産主義の団体と癒着関係にあり、幹部は革マル派の人たちに牛耳られていたのです。そこで、
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