コンピュータ理工学部 インテリジェントシステム学科 小林 聡 教授 神様のコンピュータは止まらない? 背理法による証明はみなさんよくご存知だと思います。「Aではないと仮定すると矛盾が導かれる。よってAである。証明終わり。」この証明方法を学んだとき、疑問を抱いた人はどのくらいいるでしょうか?「なんだか、屁理屈みたいだ」「これで本当に“Aである”を証明したことになるのか」といった疑問です。このような疑問は決しておかしなものではありません。実は、数学とコンピュータ科学の世界もこの問題に悩まされてきました。コンピュータの行う計算を数学という基礎から研究されている小林聡先生にコンピュータが抱える計算の問題についてお聞きしました。 華やかな数学の発展の陰にコンピュータ科学への暗雲 おおよそ19世紀まで、数学と言えば存在する解を求める学問でした。解が具体的に求まることが、問題が解けたということであり、具