この先の10年に向けて、電話の技術でいま何を知っておくべきでしょうか。電話機や電話交換機が変化していっても、絶対に変わらないものがあります。それは、「回線」というものの本質的な概念と、それをつなげる処理です。3月11日の東日本大震災では電話がつながりにくくなり、電話の回線をつなげる処理が改めて注目を集めました。震災で電話がつながりにくくなったことと、回線をつなげる処理について、見てみましょう。 交換機の「パンク」を防ぐ発信規制 東日本大震災では、携帯電話だけでなく加入電話(固定電話)もつながりにくくなる現象が起きました。単に回線が混んでいたからではありません。つながりにくくなったのは、NTTが一般の電話からの発信を規制したからです。発信規制の理由としてよく知られているのは、消防・警察への緊急通報や電力・ガスといったライフラインにかかわる機関への通話などを優先するため、というものです。これが