土佐打刃物とは、鎌倉時代に土佐の地に伝えられた日本刀の作刀技術が、やがて土地の野鍛治と融合して生まれた、極めて実用性の高い優れた刃物です。 そのほとんどが実戦で使用されることのなかった日本刀に対し、土佐打刃物は、日々野山や畑で過酷なまでに使い込まれ、高い耐久性と切れ味が厳しく求められるプロの道具として鍛えられてきました。 飾られ鑑賞されるものでは決してなく、風雨にさらされ泥にまみれて、それでもなお人々の生命や暮らしを無骨に守り、活路を開くためにひたすら何かを切り続けてきた「人を生かすための刃物」です。 その独自の進化は今も続いています。