cakesは2022年8月31日に終了いたしました。 10年間の長きにわたり、ご愛読ありがとうございました。 2022年9月1日
築地市場の豊洲移転が紛糾している。 もっとも、設備老朽化などを受け移転する話が浮上して以来、ずっと紛糾してはいるのだが、移転を前提にゆっくりと合意を取り付けていたこれまでと違い、小池知事就任以降、一気に「問題化した」のは御存知の通り。本日は、その辺についてつらつらと。 先ほど「問題化した」と表記したとおり、最近なにか大きな動きがあったわけではなく、燻っていたものが派手にクローズアップされたというのが実情である。もとより、世界に名だたる食の聖地として、場外市場の商店や各地の飲食店とともに築き上げた「築地ブランド」をどう捉えるかも含め、納得いっていない人たちも、いるにはいたのだ。しかし施設老朽化や政治的な決定を受けて、文句は言いつつも移転に向けて動いていたこれまでの流れを覆すような「政治的な決定のゆらぎ」が起きたのだから、そりゃ混乱するのが当然だ。これまで文句を言っても「都の決定だ」とシャット
いまアメリカの娯楽映画界が、大きな変化のときを迎えている。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』や『マッドマックス 怒りのデス・ロード』に代表されるように、予算をかけた大作で、女性が活劇の主人公となったり、むしろ男性キャラクターを守り戦うというケースがどんどん増えてきているのだ。80年代を代表する大ヒット作を新しくリブート(再起動)した本作『ゴーストバスターズ』も、ビル・マーレイやダン・エイクロイドなどが演じた男性の主役四人組を、今回全て女性の第一線コメディアンにキャスティングし直している。 だがこの作品、公開される前からネットを中心に批判が殺到したのだ。その原因の一つは、オリジナル版の監督と脚本家が再度本作を手掛けるという、当初発表されていた企画が変更されてしまったところにある。それは、出演者でもあり脚本も手掛けていたハロルド・ライミスが亡くなったことから起因した事態なのだが、このためオリ
X-MEN:アポカリプスX-Men: Apocalypse/監督:ブライアン・シンガー/2016年/アメリカ クイックシルバー最高だ! あらすじ:やばい人が復活したので戦います。 アポカリプス(オスカー・アイザック)がよっこいしょと起きてきて、世界を滅ぼしてやるぞよと言いだすので、チャールズ(ジェームズ・マカヴォイ)が危ない危ないとなんとかします。一方エリック(マイケル・ファスベンダー)は田舎暮らしをしていました。 ※ネタバレしています。注意書きはしていません。 おすすめ ポイントナイトクローラーとクイックシルバーが最高です! 『X-MEN』シリーズ一貫して描かれていたマイノリティ差別の問題はほぼ描かれない。人間対ミュータントの構図でもない。それはすでに描き切ったということか。仲間についての物語である。チャールズとエリックは、再び手を取り合うことになる。それは共通の敵がいるからだ。『フュー
「もうこれで日本はゴジラ映画を作れなくなった」 日本の観客からこのような意見が出てくるほど、2014年に世界的な大ヒットを記録した、ギャレス・エドワーズ監督によるハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』は衝撃的な作品だった。CG技術など巨費を投じた特撮に加え、ゴジラの体の各部分を効果的に見せていく繊細な演出、東宝第一作の反核テーマに立ち戻り、日本の原発問題を風刺しながらも、アメリカ映画でありながら広島への原爆投下に言及するなど、精神性においても高いレベルに届いているのである。表面的な娯楽演出に終始し、フランスの核実験ばかりを批判していたローランド・エメリッヒ版(1997)を観て余裕を見せていた東宝の関係者も、本当にすごい作品が出来てしまったことに、今度ばかりは震撼せずにおれなかったというのが正直なところだろう。 この作品に日本の才能が対抗するには、もはや世界で評価されるアニメーションの分野
イギリスのEU離脱とスコットランド――独立への茨の道 久保山尚 スコットランド史、スコットランド政策研究 国際 #英国#EU離脱#スコットランド独立 UKでは6月23日にEU離脱をめぐる住民投票が行われ、離脱派が52%の票を集めて勝利した。UK北部のスコットランドでは離脱派が38%、残留派が62%と、EU残留への支持が強く、離脱を支持したイングランドとウェールズとのEUへの姿勢の違いが顕著に現れた。 これを受けスコットランド首相のニコラ・スタージョンは、EU支持を表明したスコットランド人の意思を尊重し、スコットランドをEU内に留めることに全力を注ぐと公言した。またEU加盟は独立国であることが条件であるため、スタージョンはスコットランド独立を問う住民投票の開催を示唆し、それに向けた法整備等の準備を始めるよう閣僚に指示した。 UKのEU離脱という政治的衝撃により、スコットランドのUKからの独立
新作映画・旧作映画・日本未公開映画のレビューブログ。面白い映画・DVD・ブルーレイなどを紹介・批評・考察しています。あらすじ、ネタバレあります。 アクション、コメディ、SF、ホラー、ファンタジー、ミステリー、サスペンス、アニメ、ドラマなど。 普段訃報には触れないスタンスをとっていて、それは死を消費していくように思えるからだ。つらいものはつらい、誰が亡くなろうともつらい。あえてそれを表に出す必要はないのではないか、と思っての、訃報には触れないスタンスであった。今回はどうも、心が落ち着かない。いや、誰が亡くなろうと心は落ち着くわけがない。ただ、あまりにも早すぎた、ただ、あまりにも悲惨すぎた。いや、亡くなり方がどうのということでもない。なんなのだろう。コントロールできないのだ、では、冥福を祈ることなどで自分の心が多少なりとも落ち着くのであれば、なにかひとこと書いておくのもそう悪いことではないので
大分県で多い名字の1、2位は佐藤と後藤。ほかにも「藤」が付く名字が上位に並ぶ。大分の名字分布の特徴は東日本と多くの共通点がみられるとされ、ほかの九州各県とは異なる。ユニークさの起源を調べてみると800年以上前の源頼朝と義経の衝突や、約400年にわたる大友氏の豊後統治が大きく影響していることが浮かび上がってくる。
クエンティン・タランティーノ8作目の映画である(今回はタイトルロールでご丁寧に「the 8th film by quentin tarantino」と大写しになる)。あと2本での監督引退を仄めかしているからか、なにやらジョン・カーペンター作品における「's」と同じような、ただならぬ気合いを感じてしまう。 今回は西部劇+密室殺人という体裁をとっているが、蓋を開けてみればいつものタランティーノ作品であり、でもそれでいて今までのどの作品にも似ていない気がするし、「レザボア・ドッグス」「パルプ・フィクション」といった初期作のテイストを感じ取ることもできる。個人的に感じたのは「パルプ・フィクション」における2点の類似点があるような気がする。 (※以下、内容の詳細に触れているので未見の方はご注意を) ■その1 与太話 「パルプ・フィション」を観たことがある人なら、誰もが憶えているであろう「金時計」のエ
この大会に向けては、日本会議に所属各組織からの動員がかけられている。動員の実施は当然の話であって驚くべきことではない。だが、その整然たる様は目をみはるものがあった。 大量の観光バスが会場の目の前にある駐車場に次々と横付けされていく。中型バス23台 大型バス45台までカウントしたが、あまりにも大量かつ矢継ぎ早で、途中でカウントを諦めてしまった。注目すべきは、この大量のバスのほとんどが、12:45から13:30までの45分間に一気に到着したことだろう。約45分間で約70台のバスを誘導している計算になる。さらに、この大量のバスとバスから吐き出される高齢者の波を、バスとは別に到着し続ける駅からの徒歩参加者や、政治家たちのハイヤーの間を縫って、現場の誘導員が合理的かつスムーズに誘導していく。誘導員の圧倒的多数派はガードマンでもイベント会社の人物でもない。スーツを着た日本会議関係者だ。日本会議及びその
2013年に大英博物館で大規模な春画展が開催されましたが、日本への巡回展はなかなか実現しませんでした。紆余曲折の末、2015年5月、ついに永青文庫での開催を発表。そして今日、9月19日からはじまった春画展の紹介です。 永青文庫:9月19〜12月23日 細見美術館:2016年2月6日〜2カ月間
『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』、『007 スペクター』、『コードネーム U.N.C.L.E.』、そして本作『キングスマン』など、これから公開される作品を含め、スパイ映画大作ラッシュが続く。そのなかで『キングスマン』は、シリーズやリメイク作として過去の実績がある他の大作と異なり、監督マシュー・ヴォーンの過去作『キック・アス』と同じく、マーク・ミラー作のコミックを原作としており、監督自身が原案にも関わる、実質的なオリジナル作品である。だが、その知名度の低さにも関わらず、世界各国で予想外の大ヒットを記録し、早くも次回作の製作が決定している。 マシュー・ヴォーン監督は、ユーモラスでありながら倫理観ギリギリのヴァイオレンス描写と、手堅い手腕の娯楽表現が魅力だが、本作『キングスマン』は、内容の面でも彼の過去作を大きく凌駕し、評価の高いサム・メンデス監督の新ボンド映画や、トム・クルー
新作映画・旧作映画・日本未公開映画のレビューブログ。面白い映画・DVD・ブルーレイなどを紹介・批評・考察しています。あらすじ、ネタバレあります。 アクション、コメディ、SF、ホラー、ファンタジー、ミステリー、サスペンス、アニメ、ドラマなど。 キングスマンKINGSMAN: THE SECRET SERVICE/監督:マシュー・ヴォーン/2014年/イギリス 「面白い」と思える理由は、なにか。 飛行機内で鑑賞。事前情報としては、コリン・ファースが出ている。マイケル・ケインが出ている。義足の女がいる。スパイである。スーツ。くらいでした。 あらすじ:君も! 今日から! キングスマン! 秘密組織「キングスマン」に所属している紳士ハリー(コリン・ファース)。だめだめな若者エグジー(タロン・エガートン)をスカウトして修行する。 キングスマンのボス、アーサー(マイケル・ケイン)がメガネをかけたり外したり
ザ・スペシャルズと2トーン・レコーズの設立者であるジェリー・ダマーズが、トロンボーン奏者だったリコ・ロドリゲスに哀悼の意を捧げる声明を発表している。 ジャマイカ出身の伝説的なトロンボーン奏者であったリコ・ロドリゲスは先日、享年80歳で亡くなっている。ザ・スペシャルズに加え、数百に及ぶ作品に参加しており、1958年から最も最近のレコーディングとしては2008年のジュールズ・ホーランド・バンドのものまでがある。 ザ・スペシャルズはリコ・ロドリゲスの死について認めており、次のようにツイートしていた。「わたしたちの親愛なる友達、リコが今日亡くなりました。深い哀悼の意を家族に捧げます。彼の伝説は永遠であり、今日のものになるでしょう。安らかに。親愛なるリコ」 リコ・ロドリゲスは2007年にその音楽への功績で大英帝国勲章のMBEを授与している。リコ・ロドリゲスは9月4日にロンドンで亡くなっている。 ジェ
外見はかわいいクマのぬいぐるみ、中身は大麻を吸いまくり下ネタを連発する中年おやじというキャラクター、テッドが劇場に帰って来た。とくに日本で『テッド2』は、前作を超える出足で観客を集め、人気の健在ぶりを証明している。アメリカン・コメディー映画は当たらないと言われ、ヒット作であっても劇場公開されることが少ない日本で「テッド」が予想外の成功を収めるのは、ゆるキャラなどマスコット文化が根付く土壌のおかげだろうか。本作でも、困り顔の切ない表情や、燕尾服を着てフレッド・アステア風のダンスを踊ったりと、前作より強調されたキュートさは、観客の心をつかむ。そして同時に、お下劣ギャグや危険なネタも前作以上にパワーアップしている。 それにしても、なぜこんなにも下品かつ危険なジョークに満ちているのか疑問に思う観客も多いだろう。 今回はその背景や、意外と深い作品のテーマを追求することで、『テッド2』の魅力をより明ら
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