2012年11月からの景気拡大の期間がバブル景気を超え、高度成長期の「いざなぎ景気」超えの可能性も高まっています。*1 戦後の景気拡大期間の上位4つです。*2 2002年1月~2008年2月(73か月) 1965年10月~1970年7月(57か月):高度成長期 2012年11月~(4月時点で53か月) 1986年11月~1991年2月(51か月):バブル景気 21世紀の景気拡大が長期化しているのは、拡大が内発的なものから外発的なものに変化したためです。 日本企業は1997年の秋の金融危機のショックを契機に、日本的経営から「株主資本主義」に構造転換しました。日本人が自発的に「過激な市場原理主義改革」を行ったのが日本のショック・ドクトリンの特徴です。 ショック・ドクトリン〈上〉――惨事便乗型資本主義の正体を暴く 作者: ナオミ・クライン,幾島幸子,村上由見子出版社/メーカー: 岩波書店発売日:
アベノミクスの成果とやらについて検証します。 リフレ派によれば「日本銀行がお金をいっぱい刷り、これからも当分そうしますよ、と言えば」、簡単にインフレ期待が発生するはずでしたが、 現実は違いました。 成果は労働市場に表れているという見方もあります。例えば、2016年3月の大卒者の就職率はバブル崩壊直後の水準まで回復しています。 しかし、この回復は、リーマンショックによって一時後退した2003年以降のwageless recoveryの延長と見るのが妥当です。 1997年秋に金融危機発生 1998年~2002年に企業のdeleveraging & restructuringで大幅に後退 2003年以降wageless recovery(戦後最長の景気拡大) 2008年秋のリーマンショックで一時的後退 2010年から再びwageless recoveryに回帰(現時点で戦後3番目の景気拡大) 完
企業の利益剰余金と経済停滞の関係に着目したことはよいものの、事態の打開のための提案が逆に事態を悪化させるという内容の記事です。*1 jp.reuters.com 金融危機の1997-98年から利益剰余金の増加ペースの加速と日本経済(特に家計部門)の停滞感・転落感の強まりが同時に生じたことは、これらに関係があることを示唆します。 しかし、「利益剰余金の増加≒現預金の増加」は事実誤認です。 財務省の2017年1-3月期法人企業統計によると、全産業ベース(銀行、保険業は除く)の利益剰余金は390兆3900億円と過去最高を記録。前年同期から23兆7100億円増えた。 わかりやすく言えば、企業が利益を出しているにもかかわらず、設備投資を控え、賃上げにも積極的に動かなかった結果、現金が積み上がってしまったということだ。 現預金が大きく増加したのはこの3年間のことで、長期的には利益剰余金の増加に対応して
解決策を探る時には、前提を置いて考えがちだ。経済成長の前提に将来推計人口を置いたり、社会保障を設計する際に成長率の見通しを基にしたりする。しかし、人口が減るから成長は見込めない、成長なしには財源が出ないので、少子化対策が打てないとなると、現状に適応するだけの縮小スパイラルへ陥ってしまう。こうした相互依存の難問を解くには、前提を崩す以外に道はない。 香取照幸著『教養としての社会保障』は時代を切り取る一冊だ。香取さんは、霞が関の官僚として、数々の社会保障改革に関わり、直近では、企業主導型保育事業の実現に尽力した方である。雇用保険料引き下げの好機を捕らえ、年金保険料に付加する企業拠出金を引き上げて保育の財源を確保した手法は、今、話題の「こども保険」の原型になるものだ。そうした方の政策論は、社会保障にとどまらず、時代を知る上で欠かせないものである。 一般の方にとって、社会保障の来歴、社会・経済・財
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く