【台北=矢板明夫】台湾で新型コロナ対策を担当する中央感染症指揮センターは15日、新たに180人の市中感染者を確認したと発表。台北市と、隣接する新北市の防疫警戒レベルを「2」から「3」に引き上げた。これまで感染禍を効果的に抑制してきた台湾だが、突然の感染拡大に市民は衝撃を受けている。台北市内の大通りでは同日、通行人をほとんど見かけなくなり、一部で日用品の買い占めが起きるなど、緊張が一気に高まっている。 台湾で今月中旬以降、台北市の飲食店などで相次いでクラスター(感染者集団)が確認され、13日から15日までに感染者数は13人、29人、180人と急増した。感染拡大のきっかけは大手航空会社の乗組員が持ち込んだ感染力の強い英国型変異株とみられる。 台湾当局は「一段と強い対策を取る必要がある」と判断し、2市での警戒レベル引き上げを決定し、即日、施行された。28日まで、屋内で5人以上、屋外で10人以上の