1.対談の3つのテーマ 住沢:今回の深掘り対談のテーマは、中北さんの提言にしたがって、(1)総選挙の総括と枝野立憲民主党の野党共闘の問題点です。(2)2017年の枝野さんの立憲民主党の設立は2015年の安保法制が大きな背景になると思いますが、こうした少し長い時間的なサイクル、さらには過去30年間、「失われた30年」の課題を含む政治改革の流れも含めて、今回の総選挙を位置づける視点です。(3)来るべき参議院選挙に対する立憲民主党を軸とする野党の課題です。またこの対談に先立って送られてきた、山口さんの「2021年総選挙と野党の課題」という草稿(『ジャーナリズム』2022年2月号)を参考にして対談を進めます。 山口さんは過去30年間、政治改革の同時代的な研究者であり、かつ市民連合の中心的な担い手であったように、実践的な提言もされています。近著は『民主主義は終わるのか』(岩波新書 2019)です。中