第76期将棋名人戦・A級順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)のプレーオフ4回戦は18日、東京都渋谷区の将棋会館で指され、羽生善治竜王(47)が豊島将之八段(27)を84手で破り、5回戦進出を決めた。羽生竜王は21日に稲葉陽八段と対戦し、勝った方が佐藤天彦名人への挑戦権を獲得する。 朝9時半、将棋会館は道場の開場を待つ子供や保護者たちでにぎわっていた。しかし本局が行われる特別対局室のあるフロアは静寂に包まれていた。日曜日ということもあって、対局は本局のみだったからだ。 史上初の6者プレーオフは、前期の成績に基づく順位が低い者同士が対戦し、勝てば上位の者と対戦する勝ち抜き方式。B級1組から上がったばかりの豊島は6人中で一番順位が低いため、挑戦者になるには他の5人全員に勝たなければならない。ところが豊島は、久保利明王将、佐藤康光九段、広瀬章人八段を連破して勝ち上がってきた。 一方、羽生は6人の中