日直のボウシータです。あったかくなったり、また寒くなったり、忙しいですね。 この連載では小説の話をよくしているが、さて小説を読んでいるとき、私たちはつい物語の内容(筋や題材、つまり「なにを書いているのか」)に気を惹かれているつもりになっている。しかしじっさいに小説が私たちを感動させるのは、筋以外の部分(どう書いているのか)だったりする。だから小説の要約を読んでも小説を読んだことにはならない、ということはよく言われる。私も言う。 (が、正直言うと「要約を読んだら小説をちょっとくらいは読んだことになる」のも事実だ。個人的には、本屋で背表紙のタイトルを見ただけでも、ちょっとくらいは読んだことになると思う。いや、「こんど『1Q84』の「BOOK 3」出るんだよね」と未読の本の噂話をしただけでも、この文章を書いている時点でまだ出ていない第3巻をちょっと読んだ気がしてしまう。しかしこれはまたべつの話)