人手不足が深刻化し、日本経済の成長を阻む壁になっている。 今月初め、日銀が発表した短観では、不足感を示す指数が、1990年代初めのバブル末期以来の水準まで悪化した。特に非製造業、中小企業で顕著となっている。 景気過熱時の人手不足と異なり、働き手となる人口そのものが急速に縮小しているところに今回の特徴はある。つまり、問題はこの先も当分持続し、より深刻化する恐れさえあるということだ。 仕事を探している人1人に対し、何件の求人があるかを示す有効求人倍率は25年ぶりとも言われる高水準で推移している。運転手や介護職など、職種によっては全体の平均を大きく上回るものもある。 それにもかかわらず政府や日銀から危機感は伝わってこない。最大の経営課題に人手不足を挙げる経営者も多い中、「まだ賃金や物価の上昇にはつながっておらず企業活動の制約になっていない」(日銀名古屋支店長)などと意識に開きがある。 物価上昇率